三江線a11
さて、JR三江線の続きです。

その1(三次駅━口羽駅)はこちら



口羽駅から北は浜原駅までの29.6kmの区間が
日本鉄道建設公団によって「AB線(地方開発線・地方幹線)」として建設されました。
1966年(昭和41年)に着工し1975年(昭和50年)8月に開業。
この延伸開業を以て三江線が一本の路線としてつながった訳です。

具体的に言うと鉄建公団によって建設されたこの区間は
極力直線的に、高速運行が可能な高規格な路床で作られています。




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こちらは口羽駅━伊賀和志駅間のトンネル状況です。
江の川を挟んで口羽駅側と伊賀和志駅側にトンネルがあります。
地上の区間もそれなりの長さがあり列車の速度もまださほどではありませんので
ゆっくりと落ち着いてチェックインをすれば駅は取れると思います。
ですのでトンネル内で電波が入らなくても慌てなくて大丈夫です。


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伊賀和志駅
まるで人名のような駅名ですが「いかわし」と読みます。
1975年(昭和50年)8月に開業した駅です。
単式1面1線の棒線無人駅であり、
駅の前後をトンネルに挟まれているのが分かるかと思います。
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隣の口羽駅、宇都井駅が島根県内の駅であるのに対して
この伊賀和志駅は広島県にあるという、
路線で県を出戻るめずらしい形となっています。

これは鉄建公団が作った区間の駅であり、
高速走行を主眼に置いて直線的に線路を敷いた結果、
川筋や国道から離れた場所に駅が出来たと思われます。
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駅舎は無く、ブロック造りの待合室がホームに。
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こちらが駅の前の道の光景。
道が幹線などでは無い生活道路であることが分かると思います。 三江線a15
駅の外観はこんな感じです。
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駅名の看板はどこにあるのかと思いきや、
ホームのフェンスにありました。
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ホームから駅前を望むとこんなかんじで。
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ホーム入口の階段の脇には
ブッポウソウの案内の看板がありました。
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駅近くのトンネルから出て、駅へと入線していく列車。
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この駅の神楽愛称は「鈴合せ」となっています。



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伊賀和志駅から次の宇都井駅間には柳原トンネルをはじめとして
ご覧の通り路線の大部分がトンネル区間となっています。
三江線のトンネル内は電波は全く入りませんので
列車内からの駅間でのチェックインは基本的に難しいと思って下さい。


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宇都井駅
見ての通りの単式1面1線の無人駅ですが、
ある意味この駅が三江線で最も有名な駅と言っても決して過言では無い駅です。
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こちらが駅の外観。
ご覧の通り高さ20mの高架の上にホームを持つこの駅は
「天空の駅」と呼ばれて鉄道ファンには知らない者のいない駅となっています。
(写真はクリックで拡大します)
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この駅はご覧の通り、山と山の谷間に作られています。
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ですのでホームの両端からもトンネルの入口がご覧の通り至近にあります。
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反対側の集落から見た宇都井駅。
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駅前、というか駅の袂の光景です。
いわゆる高架下なのですが、高架が高いので上に屋根のある感じがしません。
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とりあえず見上げてみました。
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ホームへと上がる階段タワーを縦で。
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この階段タワー、ご覧の通り高架線とは一体化している建物ではなく、
階段塔部分だけが独立して建てられていました。
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駅入口の脇の地上にはトイレがあります。
ホームにはトイレは無いので用を足せるのはここだけです。
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タワーの入り口にはなぜか電動カートが止めてありました。
話には聞いた事があったのですが、
この天空の駅を日常で利用している老人がいるんだとか。
日中の三江線で、私も降りたおばあちゃんを実際に見ましたが
(列車の乗客にニコニコ手を振って見送ってくれてました)
あのおばあちゃんがこの駅の階段を使うのかと…
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こちらが階段の様子。
全部で上まで116段だそうです。
参考までに、団地5階で通常56段程度なので
宇都井駅は団地で考えるとおよそ8階半程度となります。
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そして階段塔の最上階がご覧の通り待合室を兼ねています。
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階段からホームへと出るとご覧の通り
眼下に宇都井の集落を見下ろす事ができます。
(画像クリックで拡大します。)
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見下ろした集落を地上で見るとこんな感じで。
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反対側はご覧の通り。
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この駅の神楽愛称は「塵倫」でした。
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こちらは宇都井駅を中心とした周囲の路線図で、
赤はトンネル区間を示しています。
ご覧の通り三江線の路線上では宇都井駅のエリアは
そのほとんどがトンネル内
となっています。
つまり列車の走行中に宇都井駅をチェックインするのは難しいという事です。
基本的に宇都井駅停車中に取るべき駅だと思って下さい。




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石見都賀駅
1975年(昭和50年)8月開業の駅であり、
無人駅ですが島式ホーム1面2線のホームを持っている駅です。
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こちらは江の川沿いの国道375号線から一本下った道の交差点です。
写真奥の築堤上に三江線が走っています。
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築堤に向かって道を進むと跨道橋をくぐっており、
上には駅のホームが見えます。
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左手を見ると坂の上が駅前広場となっており、
この地区の集会場もありました。
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ホームから見下ろした駅前の広場の光景です。
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広場奥のこちらが駅の入口。
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待合室前の幅広の階段の奥にあるこの通路がホームへの入口となっており
築堤上のホームにはここからしか上がれません。
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通路の奥には時刻表などが掲示されており、
ホームへの階段が続いています。
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階段を上がるとホーム北端の江津側の端へと出ることができます。
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駅を列車が走る光景。
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列車内から見た駅の全景です。
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駅の神楽愛称は「髪掛けの松」です。



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石見都賀駅から石見松原駅間もご覧の通りトンネルが大部分を占めます。
南方の石見都賀駅寄りしばらくは地上なので電波を受信できますが、
石見松原駅寄りはその大部分がトンネル内なので
地上区間で電波受信をするのはなかなか大変でしょう。
素直に石見松原駅停車中を狙ってチェックインをした方が簡単だと思います。


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石見松原駅
こちらも1975年(昭和50年)8月開業の駅であり、
単式1面1線の棒線無人駅です。
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こちらはご覧の通りの国道375線。
石見松原駅への案内板が見えます。
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案内に従って道を入り進むとご覧の通り。
線路が見えなかったら道を間違えたと思ってしまうところです。
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三江線の跨道橋をくぐって坂を上りきると何やら道が分岐しています。
ほぼ林道というか、山道そのものなのですが。
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分岐を左に進むと駅が見えてきます。
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こちらが駅を外からみた全景です。
見ての通り国道からは駅まで2、3分はかかります。
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ホームから江の川方向を見た光景。
駅周辺には民家はまばらで、集落は江の川の対岸に見える状態です。
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駅前の広場の、入ってきた道とは反対側に
なにやら下へと下る道があるのが見えます。
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行ってみると、なにやら人一人分の幅の道に手すりが設けられて
下へと下っています。
せっかくですから降りてみますが、雨上がりで苔生している為
確実に滑りそうな気がします。
(※註 すべりました)
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道の先にはホーム下を潜る通路が。
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トンネル状の通路を進んでみます。
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通路を抜けるとご覧の通り国道へと出ることが出来ます。
駅の駐輪場が設けられていました。
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駅の神楽愛称は「戻り橋」



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石見松原駅━潮駅間は三江線は江の川沿いを走っていますので
トンネル区間はありません。
ですので電波受信をトンネルに遮られることは無いでしょう。


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潮駅
この駅も1975年(昭和50年)8月開業の駅で
単式1面1線の棒線無人駅となっています。
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ホーム上にはブロック造りの待合室があるのみの駅です。
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この駅の特徴はなんといってもホームの目の前に江の川を望む
そのリバービューのロケーションでしょう。
三江線でも有数の絶景駅として名高い駅です。
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駅のあたりは国道375号線、築堤上の三江線、そして江の川が並走している区間であり
駅へは国道からゆるやかな坂が連絡をしています。
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ゆるやかとは言っても国道から真横から見ると
ご覧の通り結構な高さはあります。
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こちらが潮駅の外観。

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こちらは国道375号線沿いに潮駅から徒歩3分にある
「潮温泉 大和荘」です。
宿泊の出来る旅館ですが日帰り入浴も受け付けています。
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温泉の脱衣所には潮温泉の由来が掲示してありました。
(写真クリックで拡大します)
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そしてこちらは駅の南すぐにある大利商店。
この駅で唯一の買い物ができる店です。

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そして こちらが駅の前の国道沿いの風景です。
潮駅は確かにホームから望む江の川が絶景ですが、
実は国道沿いのこの並木も見逃せないポイントなのです。
それはこの沿道の木は全て桜の木で、
春のシーズンには桜並木が満開になりとんでもない光景となるのです。
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こちらの駅の神楽愛称は「潮払い」となっています。



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こちらは潮駅━沢谷駅間のトンネルの状況。
区間の中央を登矢ヶ丸山を抜ける登矢丸トンネルを通過します。
トンネルの前後は地上部であり、列車の速度も比較的早くないので
地上にいる内にチェックインを済ませるべきでしょう。


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沢谷駅
1975年(昭和50年)8月開業の単式1面1線の無人駅です。
三江線の他の駅が江の川沿いにあるのに対して
この駅は川から離れた内陸部にあります。
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駅舎は無く、ホーム上にブロック造りの待合が。
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駅周辺はご覧の通り田畑が広がり民家も多少はあるという感じです。
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こちらは県道166号線の沢谷駅付近の光景。
タイミング悪く、ちょうど駅前の県道が舗装工事の最中でしたが…
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こちらが駅舎の外観。
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駅の神楽愛称は「猿丸太夫」です。



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こちらは沢谷駅━浜原駅間のトンネル状況。
浜原駅寄りに浜原トンネルがあるものの、
半分以上は列車は地上を走っています。
列車の速度を考えれば、落ち着いてチェックインをすれば
基本的に駅を取る事は可能だと思います。


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浜原駅
1937年(昭和12年)10月開業のこの駅は国鉄三江線の終点として開業し、
三江線の全通までは三江北線の終着駅として営業をしてきました。
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相対式ホーム2面2線の駅で構内は跨線橋で連絡しており、
千鳥式の様にホームが配置されています。
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かつての終着駅らしく、構内は引込み線もあり広くなっています。
島根県側の列車の多くはこの駅で折り返して運行されており
三江線の列車運行の要衝となっています。
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こちらが駅舎の外観。
駅舎は開業時のものがそのまま残っています。
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入口脇に設置されている三江線全通記念の石碑。
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この駅の神楽愛称は「大蛇」となっています。




さて、この口羽駅━浜原駅間が
1975年(昭和50年)8月開業の日本鉄道建設公団の建設区間です。
この区間は高規格の路線が作られている一方で
日中の列車本数が上下ともに4本程度という閑散区間でもあります。
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こちらがau 4G LTEによる電波エリアのマップです。
基本的に全ての駅が電波エリア圏内となっているので
駅停車中のチェックインではさほど苦労はしないでしょう。

宇都井駅の前後と、潮駅━沢谷駅間で路線が電波エリア外の区間がありますが、
両区間共にほとんどがトンネル区間が圏外となっているので
基本的に地上では電波状態は心配しなくて良いと思って大丈夫です。



浜原駅以北の旧三江北線区間についてはその3に続きたいと思います。

では。