でんこの元ネタ
■No.37 美談みこと(Midami Mikoto)
 ■タイプ:サポーター
 ■誕生日:2月20日

■No.38 美談くに(Midami Kuni)
 ■タイプ:ディフェンダー
 ■誕生日:7月14日

■出身駅: 一畑電車北松江線 美談駅(島根)
みこと_くに01
元々は1914年(大正3年)4月29日に一畑軽便鉄道として
出雲今市(現・電鉄出雲市)━雲州平田間が開業した際に
現在の美談駅付近にも線路が敷設されました。

1925年(大正14年)には電化をにらんで社名が一畑電気鉄道となり
全線が1927年(昭和2年)10月に直流1500V電化。
そして美談駅が出来たのは戦後の1952年(昭和27年)1月15日となります。
みこと_くに02
こちらがホームの様子です。
単式ホーム1面1線の棒線無人駅となっています。
みこと_くに04
駅に駅舎は無く、ホーム上にご覧の待合室があるのみです。
現在は待合室の壁は透明なポリカーボネイトの波板となっています。
みこと_くに05
こちらは美談駅の隣の大寺駅の待合室ですが、
屋根の形などが美談駅のものと同じなのが分かると思います。
美談駅の待合室も改修される前には同じ形の待合室がありました

ですが2011年(平成23年)9月に
「自転車と公共交通を組み合わせ、新たな都市の在り方や、
ツーリズムについて実践的に考察をするプロジェクト」
なるものが行われた際、その一環として
美談駅の待合室の壁がご覧の木材と透明波板へと改修されました。
みこと_くに06
こちらが美談駅の待合室の中の様子です。
みこと_くに08
待合室の横にはご覧の、一畑電車の各駅にある神話の絵が。
みこと_くに03
駅の入口はホームの東端にあり、
ご覧の通りスロープで出入りをする仕組みとなっています。
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スロープ前には駐輪場があり、
すぐに駅前の道となっています。
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駅の西端目の前にある一畑鉄道美談3踏切。
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踏切から見た駅の様子です。
みこと_くに12
駅ホーム裏手からみた光景。
みこと_くに13
北側から見た駅の全景です。
みこと_くに14
駅の横の踏切から直線で北に100mほど進むと
一畑鉄道と並行して走る国道431号線の交差点があります。
みこと_くに15
この交差点から国道を西に500mほど進むとあるのが
こちらの美談神社の鳥居です。
駅は「みだみ」と読みますが、こちらの神社は美談と書いて「みたみ」と読みます。
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こちらが神社の参道の階段。
みこと_くに17
駅の駅名が書いてある看板を「駅名標」と言いますが、
神社の場合は同様のものを「社号標」と言います。
こちらは参道脇にある美談神社の社号標です。
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参道の半ばにある狛犬。「出雲構え獅子」と呼ばれる形で、
「構え獅子」とは腰を上げて今にも飛びかかろうというポーズの狛犬の事です。
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鳥居のあるご神木の脇を抜けると本殿が見えてきます。
みこと_くに20
こちらが美談神社の本殿です。
「出雲風土記」では「彌太彌社(みたみのやしろ)」として記されています。
経津主命(フツヌシ)、息長足姫命(オキナガノタラシヒメ)、
武甕槌命(タケミカヅチ)、比女遲命(ヒメジヒメ)を祭っているそうで、
これらの神様は戦いに関する神様だそうです。
みこと_くに21
さすがに出雲の神社らしく、注連縄(しめなわ)がかなり太いです。
みこと_くに22
ちょっと写真では見辛いですが、軒瓦に「美」の金文字があしらわれています。


出雲風土記によると
「この世をお造りになった大神の御子、和加布都努志(ワカフツヌシ)の命が、
天と地が初めて分かれた後、高天原の御領地の田を管理する長として、
ご奉仕になった。その神が郷の中に鎮座しておられる。
だからミタ(御田)をミル(見る)意で三太三という」

という美談の地名の由来が一節として記されています。

つまり美談神社に祭られている神様は大神の御子ということです。
大神とは「大国主命(おおくにぬしのみこと)」であり出雲大社の祭神です。
そしてこの大国主命の御子、つまり神様の子が祭られているのが美談神社という事になります。
みこと(命)くに(国)という名前の設定由来は
美談という苗字を冠したことからも、
この大国主命という出雲の神様が由来と考えるのが自然の様な気がします。

こういった美談駅に関する情報は
一畑電車の公式ホームページにも各駅の情報として掲出されています。
参考
一畑電車「停車駅のご案内:7.美談」
http://www.ichibata.co.jp/railway/operate/stations/11.html
でんこの設定や命名については、当該鉄道会社の公式サイトである
このページが参考にされたと考えるべき
ではないでしょうか。


また参考までに、713年に元正天皇が風土記の編纂を命じた際に
この地の地名を「好い漢字で2文字で表記するように」という命令が出たそうで
これによって726年に三太三を美談に変えたそうです。
これが現在の「美談」という地名の元の様です。

【※以上写真撮影:2017年1月】


■モデル車両(みこと): 一畑電車3000系
みこと_くに23
当時の一畑電気鉄道(現・一畑電車)が車両の近代化を目指して
南海電気鉄道より南海21000系を譲り受けて改造を施したものが
一畑電車3000系電車となります。


一畑電車3000系は元々は南海電鉄21000系という電車であり、
南海電鉄で1958年(昭和33年)から1964年(昭和39年)にかけて
新製され導入された車両です。

この南海21000形は南海電鉄高野線という、
都市部の平坦区間と山岳部を併せ持つ路線の為に
「平坦区間での高速走行の性能」と「山岳区間での登坂性能」を
併せ持つ「初代ズームカー」として開発
されました。
「ズームカー」という名前の由来はカメラのズームレンズからきており、
「焦点距離を広範囲に変えられるズームレンズのように
平坦区間から山岳区間まで広範囲に速度を制御でき運行できる」

ということから名づけられています。

しかし1990年(平成2年)には後継車両の南海2000系が導入され、
1993年(平成5年)より初代ズームカーの淘汰が始まります。

同じ南海電鉄の多奈川線や和歌山港線に転用する為に
南海21000形の編成を中間車両を抜いた2両編成へと再編成。
この時に余剰となった中間車両は廃車解体となっています。
また、せっかく多奈川線や和歌山港線での転用された車両も
1997年(平成9年)2月には早々と廃車の憂き目に遭っており、
南海電鉄高野線に残った最後の8編成も
同年にさよなら運転が行われて全車廃車となりました。

この高野線での最後の8編成のうち、
クロスシート車だった第1、2編成は静岡の大井川鐵道に譲渡されて
大井川鐵道21001系となって現在も運用されています。
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こちらが大井川鐵道21001系となった南海21000形ズームカー。
一畑電車3000系とは姉妹電車と言って良い存在です。
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転換クロスシートの車内の様子です。
【※大井川鐵道写真撮影:2016年4月】

そしてロングシート車の第3・5~7編成の
先頭車8両(モハ21005、21006、21009~21014)が一畑電気鉄道(当時)へと譲渡され、
1996年12月27日に2連4本列車として改造が竣工して
一畑電車3000系へと生まれ変わっています。

こうして生まれ変わった8両は一畑電車の車両近代化を担って
1997年(平成9年)2月20日より北松江線にて運用が開始されています。
この2月20日が一畑電車3000系をモデルとするキャラクターである
「美談みこと」の誕生日として設定されています。


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しかし一畑電車でも列車の世代交代の波が押し寄せて来ます。
一畑電車3000系も老朽化が進み、置き換えの為に
東急1000系電車を一畑1000系(写真右)として導入し、
置き換えられた3000系電車が2015年以降順次廃車となっていきます。
4編成のうち2編成が2015年(平成27年)2月に運用離脱。
1編成が故障の為2015年12月に同じく運用離脱をして
それぞれ廃車解体となっています。

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そして最後に残った一畑電車3000系の1編成が
こちらの3006編成(デハ3006+デハ3016)となります。
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川跡駅での一畑電車3000系3006編成。
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こちらは川跡駅すぐ西側の一畑電車川跡1踏切付近。
実際に走行している一畑電車3000系を見たくて
北松江線を武志駅の方へと向かう列車を撮りました。
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大社線の終点、出雲大社前駅に停車中の一畑電車3000系。
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大津町駅━武志駅間の田んぼの中を走る一畑電車3000系です。

必要以上に一畑電車3000系の写真を載せたのは、
もう線路上で動くこの列車を見ることはできなくなったからです。
この最後に残った3000系である3006編成ですが、
2017年(平成29年)1月20日を以て営業運転を終了しています。
翌21日と22日にイベントとしてラストランを行い、
3000系は一畑電車での役割を終えました。

この後、最後の3000系である3006編成は廃車となり解体される事になります。
どこかで保存をしてほしいところですが、
入れ替えの新車両を島根県の補助金補助を受けて購入している関係で
ほかに流用することはできないんだそうです。


調べてみると、島根県の「一畑電車支援計画」によって
平成23年度から10年計画で沿線自治体の支援計画が立てられていました。
支援計画を見てみると「老朽化の激しい3000系8両の更新」が
平成25年度から平成27年度で予定されていた
事が分かります。
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そして支援計画の予算を見ると、
平成25年に3000系の車両更新費用として660百万円が計上されています。
みこと_くに54
実際に3000系8両の車両が更新されたタイムテーブルを見ても、
ほぼ支援計画に沿って忠実に更新が遂行されていた事が分かります。

ということは余談ですが、計画を見る限り
「美談くに」のモデルの5000系や2100系などの元京王5000系列車も
あと5年で全て更新され廃車となるのはほぼ間違い無い
でしょうね。


上の3000系の写真は1月20日の営業運転最終日に撮ったものですが
他の車両の処理の流れから見て、
恐らく2月から3月には車両が解体されることでしょう。。。


■モデル車両(くに): 一畑電車5000系5009編成
みこと_くに32
こちらの車両は1998年(平成10年)に一畑電車に登場した5000系で、
元は京王電鉄を走っていた京王5000系電車という通勤形列車が元となっています。


一畑電車では上の5000形の他に一畑電車2100系という列車も運行しています。
みこと_くに33
こちらの2100系も上の5000系と同じでベースは京王5000系という列車です。
見比べてもなんとなく似ているのが分かりますが
それもそのはずで元の車両は同じ列車なのです。

こちらの2100系は一畑電車の車両近代化の一環として
1994年(平成6年)から1995年(平成7年)にかけて
4編成8両が導入されています。


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その後の1998年(平成10年)に2編成4両が導入されたのが
こちらの一畑電車5000系であり、
同じ京王5000系をベースとしていながら
出雲大社方面への観光輸送を重視した車両として作られています。
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観光車両をベースコンセプトとしているこの5000系は
車体の塗装にも工夫が凝らされています。
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ベースの白は「出雲平野の雲」、屋根と車体裾の青は「宍道湖」
車体の下部や全面窓の淵に使われた黒は
「出雲大社の厳粛の趣き」を表現しているそうです。

そしてこの一畑電車5000系は2両編成2本の計4両が導入されています。
みこと_くに37
こちらがそのうちの一両である5010編成。
デハ5010とデハ5110の2両で編成されています。
車端部やドア付近以外はクロスシートとなっており、
回転式クロスシートの部分は小田急ロマンスカーのシートを流用しています。
こちらが一畑電車5000系の導入当時の姿と言って良いと思います。


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そしてこちらが一畑電車5000系5009編成。
デハ5009とデハ5109の2両で編成されていて
現在は「しまねの木」として運行しています。
一畑5000系のうち「美談くに」のモデルとなっているのは
こちらの5009編成
となります。

5009編成も5010編成と同じく1998年(平成10年)に一緒に導入された車両ですが、
こちらの5009編成は2013年に「木質化改装」を行ったという点が5010編成と異なります。

島根県が県産木材の需要拡大を目的に制定している
「島根県森林整備加速化・林業再生事業費補助金」の平成25年度事業として、
一畑電車5000系5009編成の内装を島根県参木材で改装するという事業が採択されました。
観光電車として島根県と島根県産木材の良さが広くPRできるという点が評価されて
補助金の支出が採択された結果、
約3660万円(補助金3000万円)の事業費で5009編成の木質化が行われました。

工事はJRや関西私鉄などの車両の検査整備や改修などを請け負う
島根県の後藤工業で行われ、
2014年(平成26年)7月14日より一畑電車での営業運転が開始となりました。
「美談くに」のキャラクターの誕生日は7月14日に設定されていますが
これはこの5009編成の木質化改装後の運転開始日が出典となっています。
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こちらが木質化された一畑電車5000系5009編成、
通称「しまねの木」の車内の様子です。

木質化が図れる箇所については最大限木材を使用して
「木の温もりある室内」を目指した一方、
木材を使用することで懸念される車両火災については
難燃化、不燃化を施しているそうです。
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ボックスシート部分などのパーテションには島根県内産の杉を使用。
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つり革や荷物棚も木質化されています。
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こちらは二人掛けの方のボックスシート。
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反対側には、普通列車としてはめずらしい
一人掛けパーテションつきのボックスシートがあります。
みこと_くに48
ボックスシートについているテーブルも木製で、
見ての通り折りたたみ式となっています。



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また余談ですが、一畑電車5000系電車は
元々が京王5000系電車がベースとなっているのは先に述べた通りです。

地方のローカル私鉄は首都圏のメガ私鉄の車両を使用しているケースが多々あります。
特にこの京王5000系電車は地方鉄道への譲渡に際して京王側の売り込みがあったそうで
多くの地方私鉄がこの京王5000系の車両を使用しています。

みこと_くに50
まずは先に述べた一畑電車2100系

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こちらは銚子電気鉄道3000形
京王電鉄から伊予鉄道に譲渡された伊予鉄道700形が
さらに銚子電鉄へと譲渡されて運行しています。

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こちらは富士急行1200系
富士急行では京王5000系ベースの車両として
上の1200系と1000系が走っています。

特に上の写真の富士急1200系1205編成は
2009年(平成21年)8月より「富士登山電車」として塗装や内装がされて走っていますが、
その前の2006年(平成18年)9月から2009年までの間は「マッターホルン号」として
スイスのマッターホルン・ゴッタルド鉄道の車両デザインを模した塗装で走っていました。

この1205編成の車両は、1994年(平成6年)に富士急行1200系が5編成投入された時に
一番最後に富士急行線に入線した車両です。
1205編成の入線日は1994年(平成6年)11月2日ですが、
この11月2日というのは「大月シーナ」の誕生日であり、
つまりはこの富士急行1200系1205編成がシーナのモデル車両なのです。

という事で、一畑電車5000系の「美談くに」と富士急1200系の「大月シーナ」は
京王5000系という同じ車両をベースとしている
事が分かります。
特にゲーム上では設定はされてはいませんが、
なかなか面白い話なのではないでしょうか。


また伊予鉄道700系や高松琴平電気鉄道1100形なども京王5000系ベースの車両ですが
私はまだ四国には行っていないので写真はありません


では。
【※以上写真撮影:2017年1月】