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さて、常磐線の続きです。


日暮里駅━原ノ町駅間はこちら。
【攻略】JR・常磐線、日暮里駅~竜田駅間とJR代行バス区間(竜田駅━原ノ町駅)



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まあ、JRの代行バスに乗って原ノ町駅まで来た訳ですが。

竜田駅発の代行バスが、実質朝の9時35分発のバス一択である以上、
同様のルートを行く方は、だいたい同じ行程となるはずです。

こちらは原ノ町駅からの下り(相馬行き)列車の時刻表です。
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実はJRの代行バスも、原ノ町駅の時刻表も、
特にこの時間帯は平日も休日も全く同じなんですね。
ですから状況が変わらない限り、
皆さん同じタイムテーブルでの行動をする事になると思います。

JRの代行バスは、原ノ町駅着が10時50分予定です。
ですので必然的に、仙台方面へと抜ける方は12時02分の相馬行き列車に乗車となります。
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つまり原ノ町駅で1時間ちょっと待つ事になる訳ですね。
だいたいこの時間ですと、行程的には早めの昼食を取って待つ感じでしょうか。

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駅構内の立ち食い蕎麦屋さんはこの通り閉鎖していますが。
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同じ蕎麦屋さんが、駅の真正面で営業しています。

また、原ノ町駅の待合室にはコンビニ(NewDays)がありますので、
必要なものを購入する事も可能でしょう。
駅ロータリーから右手で徒歩1分くらいで別のコンビニもあります。



時間があれば当然、駅構内や周辺を探索する訳で。
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駅構内の跨線橋は、ご覧の通り封鎖されています。


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駅の外の跨線橋から見下ろすと、駅構内には停車中の列車が。

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見ると震災のときに原ノ町駅に取り残された
スーパーひたちでした。
前後の路線が寸断され、4駅間しか動いていない状況では朽ち果てるのは当然で、
この車両はもう動かないとか。


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そして相馬駅行きの常磐線がやってきました。
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これから相馬駅まで、4駅だけ営業をしている区間を乗車したいと思います。

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車両の中はこんな感じ。
ワンマン運転でした。



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原ノ町駅の隣の鹿島駅


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日立木駅を過ぎ、列車は進みます。


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列車は三つ目で終点の相馬駅に到着。

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この駅も通路の跨線橋は閉鎖されていました。

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なかなかに味わいのある駅舎です。



そしてこの相馬駅から浜吉田駅までの間4駅は、震災の被害による休止区間となります。
竜田駅━原ノ町駅間の休止が放射能による帰宅困難区域によるものであるのに対し、
こちらの相馬駅━浜吉田駅間は津波の被害による休止区間となります。

そしてこちらがJRの代行バス。
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常磐線は浜吉田駅まで運行していますが、
このバスは浜吉田駅の隣の亘理駅まで運行をしています。
…ここ、非常に重要なポイントであるのは後で説明をしますw

竜田駅━原ノ町駅間が一日2便づつの運行であるのに対して
こちらの相馬駅からのバスは一日に26便が運行しています。
はっきり言って下手なローカル鉄道路線よりも本数が多く便利ですw

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とりあえずバスに乗り換えて相馬駅を出発します。


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国道6号を北上し、まずはお隣の駒ヶ嶺駅に。
こちらはご覧の通り常磐線の駅舎が残っており、駅前がバス停となっています。



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続いての新地駅ですが、
こちらはJRの新地駅の場所ではなく1kmほど離れた
新地町役場の目の前に代行バスの「新地駅」が設けられています。

なぜかというと。

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こちらが震災直後の新地駅の状況です。
ご覧の通りの被災状況でしたので、常磐線の走るあたりはまさに復興の真っ只中なのです。

ちなみに代行バスの新地駅を出て国道6号に戻り少し北上すると。
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ご覧の通り、新しく300mほど内陸部に移動して新設されている
あたらしい常磐線の建設中の高架に「新地駅」と書かれているのが見えました。
高架脇にはなにやら駅の階段らしきものも見えます。
常磐線の高架以外は全くの更地状態でしたが、着々と復興は進んでいる様子でした。


そしてこの新地駅を過ぎると福島県との県境を越えて宮城県に入ります。



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こちらが常磐線で宮城県最初の駅である坂元駅の、代行バスの駅です。
元々あった常磐線の坂元駅からは東に1kmほど離れた
国道6号の山元町坂元交差点付近に設けられています。

こちらも坂元駅は震災直後はご覧の通りの状況でしたので。
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原発の帰宅困難区域の時には、見た目は普通に街が残っていましたので、
所々除染作業が為されたゴーストタウンといった態でしたが、
こちらは津波の被害に遭った地域なので、4年経った今ではほぼ更地の状態です。



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国道6号をバスが北上していくと、国道沿いに山元町役場があります。
役場は山下駅のあった場所からはおよそ2.4kmほど西にあります。

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バスが左折をして役場の敷地内へと入って行くと。
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役場の駐車場内に山下駅が設置されていました。

山下駅も駅舎の中まで水が入り、ホームに車が乗り上げる状況で
線路も流出してしまう状況だった様です。



さて、そして次は、常磐線が現在運行している浜吉田駅となります。

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はい! 代行バスの浜吉田駅に着きました!

・・・何かおかしいと思いませんか?
はい。そうです。ここは国道6号なんですけど、
鉄道の「て」の字も見当たらない場所なんですねw

そりゃあそうです。
以下バス停と浜吉田駅の位置ですが。
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ご覧の通り、直線距離でおよそ2.5km離れています
バス停から駅方向には更地が広がるのみですが、
1.6km先の常磐自動車道は見えても、鉄道など全く見えませんからw
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まあ、ちゃんとJRの代行バスの案内に書いてあるんですけど。

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ちなみにバス停から駅までをGPSナビで徒歩で検索すると。
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ご覧の通り30分と出ましたw

私は承知で、鉄道の動く浜吉田駅から乗るつもりで降りましたからいいですが、
釣られたのか、知らずに駅があると思って降りたのか、
鉄の人が一人、一緒にバスを下車してました。
彼はあたりをキョロキョロして、明らかに駅を探してウロウロしてました。

聞かれれば教えてあげましたが、
自分できちんと調べてこないマニアの人など自己責任なので知りませんw

代行バスの浜吉田駅バス停着が13時17分、
常磐線の浜吉田発の列車が13時43分発なので、
26分で行かないと列車に間に合いません。
できれば間に合って行程を進めたいので、
彼には構わず、さっさと小走りで更地へと突っ込む私でした。


ですので、相馬駅━亘理駅間の代行バスを乗る方は、
承知で歩く覚悟の方でなければ
浜吉田駅バス停で降りると途方に暮れる事になります
終点の亘理駅まで乗れば普通に列車に乗り継げますのでご注意ください。


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とりあえず1kmほど小走りで進み、常磐自動車道が近づいてきました。
疲れたのでここから徒歩でw

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常磐自動車道の横まで来ましたが、ここまで更地しかありません。

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反対側はこんな感じですが、相変わらず更地が続きます。

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やっと建物が見えて来ました。
この道を6分ほどまっすぐ行けば駅です。

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やっと浜吉田駅が小さく見えてきました。
この時点ではまだ列車が駅にいるのが見えましたが。

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この光景を見る直前で、13時43分発の列車は発車して行きましたw
恐らく次の亘理駅では、先ほど降りたバスの乗客が待っていることでしょう。
まあ、次の列車は14時30分発ですので、47分駅を探索する事にします。


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まずはこの駅でも封鎖されている跨線橋。

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反対側のホーム。
駅名表示の山下駅が白いテープで隠されています。

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東京方面への線路。

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こちらは仙台方向。

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だいたい見る物がなくなりましたw



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そうこう待つうちに、14時30分浜吉田駅発の列車がやってきました。

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津波被害の被災地であった地域で、
駅の様子も地味なのでもっと乗車する人が少ないかと思ったのですが、
近隣から結構な数の乗客が乗車してきました。
よく考えれば、仙台への通勤圏内なんですよね。

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車内には、津波の際の対応についての案内が。



浜吉田駅から、亘理駅、逢隈駅、そして岩沼駅までが常磐線ですが、
岩沼駅からは東北本線に乗り入れて仙台駅まで列車は運行をしています。


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仙台駅に到着する常磐線列車。

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やはり仙台駅は大きなターミナル駅ですのでにぎやかです。



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ご覧の通り、今回辿った常磐線のルートは、
震災の被災地域にも関わらず、全線が電波のサービス圏内でした。
被災での普通区間などもありましたが、電波が届かないといった状況は全くありませんでした。

ただ、やはり東京から仙台までを踏破すると、朝イチでの出発でも
夕方まで掛かるのは、343kmの路線ですからやむを得ないでしょう。



では。