長良川鉄道a00
さて、長良川鉄道の続きです。


その1(美濃太田駅━美濃市駅間)はこちら



長良川鉄道88
梅山駅
この駅も1987年(昭和62年)に国鉄越美南線が長良川鉄道へと転換した際に
新設開業をした駅となります。
単式ホーム1面1線の棒線無人駅となります。
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こちらが駅の外観です。
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駅の南には踏切があり、その脇から駅へと通路が設けられています。
長良川鉄道91
見れば分かる通り、駅は学校のグランドの東側に沿って設けられています。
この学校は岐阜県立武義高校で、生徒の通学の為に駅が設けられたという訳です。



長良川鉄道92
湯の洞温泉口駅
1926年(大正15年)に国鉄越美南線が美濃町駅(現・美濃市駅)から延伸した際に
設けられた駅で、開設当時は板取口駅という名前でした。

1956年(昭和31年)に美濃立花駅に改称され、
そして長良川鉄道に転換した1986年(昭和61年)に
現在の駅名へと再び改称されています。
長良川鉄道94
ホームは単式1面1線となっています。
見事な藤棚がホームに設けられており、
シーズンにはとんでもなく綺麗なことでしょう。

そして線路を挟んだホームの反対側にも藤棚があるのが分かります。
延伸されてしばらくは終着駅だったこの駅には交換施設があったそうですし、
藤棚をホームの屋根と考えるとちょうど敷地の空白が埋まる広さです。
おそらく反対側の藤棚は相対式ホーム時代の名残りでは無いでしょうか。
長良川鉄道93
こちらが駅舎の外観です。
付近を国道156号線が走っており、
国道から坂を上がった上に駅前の広場があります。
長良川鉄道95
駅舎の中な椅子のみのシンプルな待合室となっており、
ホームへは階段で少しだけ登るようになっています。



長良川鉄道96
洲原駅
1957年(昭和32年)に国鉄越美南線時代に新設された駅です。
開業時は美濃洲原駅の名前でしたが、
長良川鉄道への転換時に現在の駅名に改称しています。
ホームは単式1面1線の棒線無人駅となっています。
長良川鉄道98
こちらは長良川沿いの国道156号線に架かる、その名も洲原橋です。
この橋の袂に洲原駅があります。
長良川鉄道97
橋の袂付近に国道から降りる側道があるのですが、
その側道が踏切になるあたりに駅の入口があります。
長良川鉄道99
線路の反対側から見た駅の様子。
長良川や国道、橋との位置関係が良く分かります。
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駅から国道を400mほど進むと
洲原神社へと降りる入口があります。
洲原神社は奈良時代に創建された白山神社の前宮(さきみや)だそうで、
農耕と養蚕の神様として「お洲原参り」が盛んだったそうです。



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母野駅
1927年(昭和2年)に 国鉄越美南線の延伸によって
美濃洲原駅として当時の終着駅として開業した駅です。
1957年(昭和32年)に隣に新しい美濃洲原駅ができると木尾駅に改称。
長良川鉄道に変換した1986年(昭和61年)には反対の隣に新しい木尾駅ができて
現在の母野駅へと改称しています。
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駅は単式ホーム1面1線の棒線駅なのですが、
線路を挟んだ反対側にご覧の廃ホームとおぼしき土盛があります。
長良川鉄道a10
そして駅の両端の先には、ご覧の不自然な線路のカーブが。
線路が明らかに交換設備が撤去された名残りの形をしています。
1927年(昭和2年)4月から10月までの半年ではありますが終着駅だった駅ですし、
かつては貨物の取り扱いもあった駅だそうですから
元々は相対式ホームで列車交換のできる駅だったのでしょう。
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こちらが駅前。
国道156号線の退避スペースの反対側が駅となっています。
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駅の全景。
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見るからに山中の無人駅といった佇まいです。
国道以外に駅周辺にはほぼ何も無く、
夜はここに駅があることも知らなければ気が付かないでしょう。
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そして駅前にポツンと1件あるプレハブの売店。
離れた所にあるコンビニを除けば、
この駅付近にあるただ1件の営業している店です。
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このお店は「メリーランド美並」という店で、
知る人ぞ知る有名な店だった様です。
お好み焼きが100円+税だったりする売店ですが
中身や味もまずまずでしたし、
何よりこんなロケーションでお客が途切れずに売れていたのが
なんとも印象に残りました。
店のおばあちゃんに「こんな所なのにお客さん途切れませんね」と聞くと
「売れすぎて材料足りなくて困ってまーす」と返ってきました(笑)

おばあちゃんいいキャラすぎ。



長良川鉄道a08
木尾駅
1986年(昭和61年)に国鉄越美南線が長良川鉄道に転換した際に新設された駅です。
国鉄越美南線には既に「木尾駅」がありましたが
第三セクター転換時に母野駅と改称し、
新たにこちらに木尾駅が新設されました。
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こちらが駅の全景です。
単式ホーム1面1線の棒線無人駅となっています。
駅の目の前を国道156号線が走っていますが
ホームは国道とは線路を挟んだ反対側に設置されています。
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駅の入口がある側の道の様子です。
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駅の正面には「白山神社」の石碑が立っており、
民家の間の道の奥の、山のふもとには鳥居が見えました。



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八坂駅
1952年(昭和27年)に国鉄越美南線の半在駅として開業した駅です。
第三セクター転換後も駅名は変わりませんでしたが、
2006年(平成18年)に現在の八坂駅へと改称されています。
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こちらは駅前のバス停のある通り。
完全に農道といった風情です。
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バス停から駅へと向かう道。
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こちらが駅の入口です。
駅名標がポッカリ抜け落ちて無くなっています。
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ホーム側から見るとこんな感じで。
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この無人駅のホームになぜかある「日本まん真ん中の駅」のモニュメント。
かつて国政調査の結果から、日本の人口重心が美並にあることが分かり
当時の美並付近では「日本の真ん中」関連でいろいろ作られたらしく、
これもその一環みたいです。
旧駅名のままで放置されて錆びているのがなんともはや。



長良川鉄道a20
みなみ子宝温泉駅
2002年(平成14年)に新たに開設された駅です。
ホームは単式1面1線の棒線駅となっています。
駅務は温泉施設へと委託された簡易委託駅となっています。
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こちらがホームの全景。
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列車が停車するとこんな感じです。
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そしてホーム上にある建物の入口。
「子宝の湯」の看板が出ています。
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建物内からホームを見るとこんな感じで。
長良川鉄道a25
ホームから建物に入ると、すぐに下駄箱のロッカーがあり
建物内は土足厳禁となっています。
入った中は温泉施設のロビーとなっており、
ご覧の通り入浴客がくつろいでいます。
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ホームへの出口の扉の上には
鉄道式の信号機が設置してあり、
色によって列車の到着までの時間が分かる仕組みとなっています。
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ごらんの通りこの駅の建物は駅舎では無く、
長良川鉄道の線路脇に作られた「日本まん真ん中温泉 子宝の湯」という
温泉施設であり、その施設に駅ホームが併設されたものです。
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こちらが温泉施設の建物。
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温泉の入口の脇にはご覧の通り
外から直接ホームへと入れる入口も設けられています。
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美並町の駅舎のある駅に入るとある円空の彫り物。



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大矢駅
1927年(昭和2年)に国鉄越美南線の延伸によって美濃下川駅として開業した駅です。
長良川鉄道へと転換した1986年(昭和61年)に現在の大矢駅へと改称しています。
相対式ホーム2面2線となっており、
美濃市駅━郡上八幡駅間で唯一の列車交換可能駅です。
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ホーム上に設けられたトイレの建屋はブロック造りで
比較的新しい施設となっています。
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これに対して駅舎や物置などは古く、
恐らくは開業以来の建物を使用している様です。
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駅舎の外観。
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駅舎の中の様子です。
現在は無人駅ですが、かつては旅客及び貨物を扱う駅だったそうで
券売の窓口なども残っています。
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駅舎の前にある円空の仏像。
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ホームを連絡する構内踏切です。
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駅舎と反対側のホーム。
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こちらのホームからも駅の裏手へと出入りが可能となっています。



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福野駅
こちらの駅は1952年(昭和27年)と戦後に開設された駅で、
当初は郡上福野駅という名称で開業しています。
1986年(昭和61年)の長良川鉄道転換で郡上が取れて
現在の福野駅へと改称しています。
長良川鉄道a41
駅前には広い空き地の駐車場があり、
その向こう側には国道156号線が走っています。
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国道からすぐの踏切脇に駅の入口が。
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駅の全景です。
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ホームの正面はご覧の通り田んぼで、
その向こう側には山がそびえます。



長良川鉄道a45
美並苅安駅
1928年(昭和3年)に国鉄越美南線の延伸によって開業した駅です。
開設当時は苅安駅の名前でしたが、
郡上市に編入される前の美並町の中心駅でしたので
1986年(昭和61年)の長良川鉄道変換時に美並を冠して
現在の駅名へと改称されています。
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現在は単式1面1線の棒線駅であるこの駅ですが、
かつては相対式2面2線のホームを持つ駅だったそうで、
単式ホームなのにある跨線橋は相対式だった時に
ホームを連絡していたものだそうです。
長良川鉄道a47
そう思って線路周辺を見てみると、
小学校や田んぼに侵食はされているものの
確かにかつて線路が敷かれていたであろうスペースを感じます。
長良川鉄道a48
こちらは駅前を走る国道156号線。
長良川鉄道a49
駅舎の外観です。
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この駅の特徴はなんと言っても、かつて駅務の行われていたスペースに
向かいの木工会社の事務所がテナントとして入居している点です。
そしてこちらの木工所の事務所が駅の業務委託を受けており、
切符や定期券がこの事務所で売っている
という点がユニークだと思います。
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実際に切符を買うには
こちらの待合室の窓口から声を掛けることになると思いますが。
長良川鉄道a52
そう思って駅前の広場を見てみると、
フォークリフトも動いていてまさしく工場の敷地内といった風情です。
長良川鉄道a53
国道から駅前方向を見てみると
完全に工場の裏手です。



長良川鉄道a54
赤池駅
1952年(昭和27年)に国鉄越美南線の郡上赤池駅として開業した駅です。
長良川鉄道転換の1986年(昭和61年)に現在の赤池駅へと改称されています。
ホームは単式1面1線の棒線無人駅です。
長良川鉄道a55
こちらは駅に停車する列車を遠景にて。
ご覧の通り周囲は一面田んぼです。
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集落の中の農道とも言える道を進むと
長良川鉄道の踏切があり、その脇から駅ホームへの通路が伸びています。
長良川鉄道a57
線路の反対側から見た駅ホーム。
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そしてホームから南の美濃太田方面をみると
水色の鉄橋が見えます。
長良川鉄道a59
鉄橋は長良川に架かる第三長良川橋梁であり、
なんでも有名な撮影スポットらしいです。



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深戸駅
1928年(昭和3年)に国鉄越美南線がこの駅まで延伸されて開業しました。
ご覧の通り単式1面1線の棒線駅で現在は無人駅となっています。
かつては相対式2面2線の駅だったそうですが、
今駅周辺を見てもその面影は残っていません。
長良川鉄道a67
駅の目の前を走る国道156号線。
ご覧の通り国道から駅はすぐの場所にあります。
長良川鉄道a68
駅へ入る道にすぐ脇には仏像の工房らしき建物が。
長良川鉄道a61
こちらが駅舎の外観です。
映画やアーティストのPVなどで何度も使われた駅舎です。
かつては「ステーション深戸」という喫茶店がテナントで入っており、
現在でもドアにロゴが残っていますが店は現在は閉店しています。
長良川鉄道a62
そして駅舎入口のすぐ横に掲示されている
こちらの「のりば案内」を見ると、
確かにこの駅がかつて相対式ホームの駅だった事が分かります。
長良川鉄道a63
すると線路の反対側のこのあたりに
かつての線路やホームがあったと思われるのですが、
現在では憶測でしか量ることができません。
長良川鉄道a64
駅舎の北側には、かつて引込み線があった跡があります。
貨物を取り扱っていた時代の面影をうかがうことができます。
長良川鉄道a65
ホームにある36と1/2キロ距離標。



長良川鉄道a66
相生駅
1929年(昭和4年)に国鉄越美南線が延伸した際に
美濃相生駅として開業した駅です。
単式ホーム1面1線の棒線無人駅ですがかつては有人駅だったそうです。
長良川鉄道a69
駅前にはご覧の大きな木があります。
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こちらが駅舎。
ブロック造りですので比較的新しいのでしょうか。
長良川鉄道a71
中はこんな感じでいたってシンプルです。



長良川鉄道a72
郡上八幡駅
1929年(昭和4年)に国鉄越美南線の延伸によって開業した駅です。
単式1面1線、島式1面2線の計3線のホームを持つ駅でり、
郡上市の代表駅として駅員配置駅となっています。
こちらは駅舎のある美濃太田方面の上り1番線ホーム。
長良川鉄道a73
開業以来の駅舎とホームの構造物であるこの上りホームは
2015年(平成27年)8月に駅舎と併せて国の登録有形文化財に指定されています。
参考
文化庁 文化財オンライン
「長良川鉄道郡上八幡駅本屋及び上りプラットホーム」
http://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/237451
長良川鉄道a74
ホームの北端に進んでみると
古いタイプの駅名標が残っていました。
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1番線ホームの案内に従って下り2番線ホームへと向かいます。
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こちらがホームを連絡している跨線橋です。
長良川鉄道a76
中を歩いて渡ってみると跨線橋全体が木造であることが分かります。
この跨線橋も単独で国の有形文化財となっています。
参考
文化庁 文化財オンライン
「長良川鉄道郡上八幡駅跨線橋」
http://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/213064

長良川鉄道a77
こちらが島式の2、3番線ホーム。
2番線が北濃方面行き下りホームとなっており、
3番線は予備ホームとなっています。
こちらのホームの上屋や待合室も開業以来のものであり、
下りホーム単独でも国の有形文化財に指定されています。
参考
文化庁 文化財オンライン
「長良川鉄道郡上八幡駅下りプラットホーム及び待合所」
http://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/280093

長良川鉄道a79
そしてこちらが駅舎の外観です。
上りプラットホームと共に国の有形文化財となっている建物であり、
開業以来の建屋を何度か改修したものです。
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駅舎の中の様子です。
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駅前の様子。
鉄道の駅としてだけでなく観光拠点としても整備されており、
駅前にはバスの発着場の他に駐車場まで完備されています。




長良川鉄道a82
こちらは長良川鉄道の美濃市駅━郡上八幡駅間の
au 4G LTEによる電波エリアマップです。
この区間も鉄道の走っている長良川沿いは全て電波圏内となっています。
基本的に列車内から駅へのアクセスに問題はありません。


美濃太田駅━美濃市駅間の列車本数に比べ、
美濃市駅から奥に入ると列車本数が半減して一日におよそ12本となっています。
山間を走る長大な盲腸線ですので基本的には攻略には乗るしか無く、
その為には時間の確保と計画が必要となるでしょう。


郡上八幡駅より奥はその3へと続きます。

では。