大船渡線00
さて、大船渡線のBRT区間に入りたいと思います。


大船渡線は1925年(大正14年)から1934年(昭和9年)にかけて
一ノ関駅から大船渡駅までが全通しました。
大船渡駅━盛駅間が翌年の1935年(昭和10年)に開通したのが
現在の大船渡線の原型となります。

そして2011年(平成23年)の東日本大震災で大船渡線は全線が不通となります。
一ノ関駅━気仙沼駅間が震災の翌月には運転が再開されたものの、
気仙沼駅━盛駅間の沿岸部は壊滅的な被害を受けて
至る所で鉄道施設が流出し寸断されました。

そして2013年(平成25年)3月に気仙沼駅━盛駅間が
BRT(バス・ラピッド・トランジット)の形式で仮復旧され
運行が再開されました。
この気仙沼駅━盛駅間では当初は鉄路での復旧を模索していたものの
2015年(平成27年)末にJR東日本と沿線自治体がBRTを本復旧とすることで合意
正式にこの区間の大船渡線の鉄路は廃線となりました。

鉄道時代にあった大船渡線の駅は全てBRTでも設置されており、
またBRTでの新駅もいくつも誕生しています。
震災がもたらした新しい形での運行を今回はたどってみたいと思います。



大船渡線01
こちらはJR気仙沼駅の駅舎外観です。
大船渡線02
駅舎の入口。
大船渡線では「POKEMON with YOUトレイン」が走っていることもあり
入口前にはピカチューがお出迎えをしています。
大船渡線03
駅構内の駅舎前にはご覧の通り道路が走っています。
こちらは1番線と2番線であり、かつては線路がここに敷かれていましたが、
2014年(平成26年)に1番線と2番線の線路を撤去してかさ上げし、
BRT専用道路としてBRTが駅構内での発着を行うようになりました。
大船渡線04
こちらは跨線橋のたもとにある2番線の大船渡線BRT乗り場です。
大船渡線05
ご覧の通りBRTバスが入線し発着を行います。



大船渡線06
鹿折唐桑駅
1932年(昭和7年)に大船渡線の鹿折駅として開業したこの駅は
鉄路のあった時代には単式ホーム1面1線の駅でした。

現在は大船渡線の線路のあった場所がBRT専用道として整備されており、
相対式の形でバス乗り場が設置されています。
上の写真は上り気仙沼方面の乗り場ですが、
かつて線路のあった時代の単式ホームと全く同じ場所に
こちらの上り線乗り場が設置
されています。
大船渡線07
道路の向かい側の下り盛方面乗り場。
大船渡線08
鉄道で言うと構内踏切にあたる、緑色の横断通行帯が設置されており
上り線と下り線とを連絡しています。
大船渡線09
この駅は海から1kmは離れているにも関わらず
震災時には津波で大型漁船が打ち上げられた場所でもあります。
2015年(平成27年)には駅舎のあった場所に
現在使用しているBRT乗り場が新設されました。
大船渡線11
駅前のロータリーも現在(2017年5月)造成中となっています。
気仙沼駅からこの駅まで専用道を走ってきたBRTは
ここで一般道路へと出ることとなります。
そのためBRT駅から県道34号線まではご覧の連絡道路が延びています。
大船渡線10
旧駅と同じ場所に現在のBRTの乗り場がありますが、
駅メモでの駅座標は2013年(平成25年)~2015年(平成27年)までの
県道上の仮設停留場の場所となっています。
アクセスをする上での影響はほぼありませんが、
旧駅の座標には戻っていませんのでご注意ください。



大船渡線12
上鹿折駅
1932年(昭和7年)に大船渡線の駅として開業したこの駅は
鉄道では鹿折唐桑駅の隣の駅でした。
しかし2011年(平成23年)の東日本大震災によって大船渡線が休止した結果、
現在に至るまで鉄道は復旧していません。

大船渡線はBRTとして2013年(平成25年)3月に仮復旧したものの、
上鹿折駅━陸前矢作駅間を走る県道34号線は
途中バスのすれ違いの困難な区間があるなどした結果、
BRTの本線経路からは外れる事となりました。

その為、鹿折唐桑駅━上鹿折駅間はBRTを運行する
ミヤコーバスの鹿折金山線をBRTとする事で代行され現在に至っています。
つまりこの駅までの区間はBRTでは完全な支線となりました。
大船渡線14
バス停付近の県道34号線。
大船渡線13
駅メモでの駅の座標はBRTバス停の場所となっています。
大船渡線15
県道から駅までには、県道211号上鹿折停車場線という
かつての駅へと連絡をする県道が設けられています。
大船渡線16
こちらがかつての鉄道が走っていた時の
大船渡線・上鹿折駅の現在(2017年5月)の様子です。
現在は鉄道が運行されていない為、待合の駅舎の入口には
ベニヤのコンパネで蓋がされていました。
大船渡線17
こちらがホームの様子。
相対式ホーム2面2線のホームが、雑草こそ生えているものの
比較的悪くない状態で残っていました。
大船渡線18
ホーム南端にある構内踏切跡から反対側のホームへ。
大船渡線19
反対側の、かつては気仙沼方面行きだったホームです。



大船渡線21
八幡大橋(東陵高校)駅
BRTの新駅として気仙沼市の請願により
2017年(平成29年)4月に新設された駅です。
鉄道時代の大船渡線には存在しない駅で
まったくのBRTでの新駅となります。
公式の扱いとしては臨時駅となります。
大船渡線22
こちらは駅の目の前を流れる鹿折川に架かる八幡大橋。
駅名の由来となっている橋であり、
川の西岸にはホームセンターがあり付近には
副駅名となっている東陵高校もある場所です。
大船渡線20
駅メモでの駅座標はご覧の
下り盛方面バス停の場所にあります。
なぜかGoogleの「八幡大橋」の駅のマークは
北にずれた場所にありますが、実際の場所とは違うので注意が必要です。
大船渡線23
上り気仙沼方面の乗り場。



大船渡線24
長部駅
こちらも鉄道時代の大船渡線には存在しなかった駅です。
2013年(平成25年)3月に大船渡線の気仙沼━盛間がBRTでの仮復旧した際に、
上鹿折━陸前矢作駅間が直通できず、
国道45号線を迂回するルートとなりました。
すると鹿折唐桑━陸前高田間がかなりの距離が空いてしまう為、
国道45号線上にBRT駅として新設されました。
この駅も扱いは臨時駅となります。
大船渡線25
このBRT長部駅は、岩手県交通バスの「上双六」バス停に
併設されて設置がされています。
大船渡線26
こちらは上り気仙沼方面行きの乗り場。
大船渡線27
駅メモでの駅の座標もこの乗り場の場所に設定されています。



大船渡線28
奇跡の一本松駅
この駅も鉄道時代の大船渡線には存在しない駅となります。
こちらは下り盛方面行き乗降場。
大船渡線29
こちらは陸前高田市にある、
東日本大震災での復興のアイコンとなった奇跡の一本松です。
2013年(平成25年)3月に気仙沼━盛間がBRTでの仮復旧した際には
BRTの奇跡の一本松駅は存在しませんでしたが、
当時のBRT最寄り駅である陸前高田駅から奇跡の一本松までは
徒歩で30分ほどかかる為、地元自治体の陸前高田市から
駅設置の要望が出ていました。

これを受けてJR東日本は2013年(平成25年)7月13日に乗降場を設置、
8月末までの土休日の日中のみBRTが停車をする駅となりました。
当時はこの駅は時刻表にも掲載されていないという
旧国鉄時代の仮乗降場のような扱いとなっていました。
大船渡線30
しかし復興のシンボルともいうべき奇跡の一本松の最寄駅は集客が好調で、
JR東日本では9月から11月まではBRT全便が停車に運行を拡大。
12月から冬季期間は休止したものの、
2014年(平成26年)3月より再び全便停車の運行を再開します。
そして2014年10月には仮設の駅から常設駅へと昇格し、現在に至っています。
常設駅ではありますが、今でも正式な扱いは臨時駅となります。
大船渡線32
こちらは上り気仙沼方面行き乗り場。
大船渡線31
駅の目の前には陸前高田市が設置した駐車場と、
「一本松茶屋」という物産施設があります。
ここから奇跡の一本松のふもとまでは
復興の造成地を迂回する為およそ徒歩10分かかります。
大船渡線33
駅の座標は一本松茶屋の目の前のT字交差点に設定されており、
実際の乗降場とはほぼ同じ場所にあると言って良いでしょう。



大船渡線34
陸前高田駅
1933年(昭和8年)に大船渡線の駅として開業した駅です。
東日本大震災によって2011年(平成23年)に津波で駅が流出。
2013年(平成25年)3月に大船渡線のBRT仮復旧によって
場所を移動し仮設駅舎にて営業を再開しました。
大船渡線35
こちらが駅舎の外観です。
震災後の復旧ではプレハブ駅舎での再開でしたが、
2015年(平成27年)3月に隣地にご覧の駅舎を新設し現在に至っています。
大船渡線36
駅は陸前高田市のコミュニティホールなどがある敷地の一角にあり、
BRTは展開場を兼ねて駅舎を周回するように発着を行っています。
ですので上り線も下り線も同一の乗降場から発着します。
大船渡線37
駅の目の前にはプレハブで建てられた陸前高田市役所があります。
大船渡線38
駅周辺の光景。
大船渡線39
駅メモでの駅の座標も駅舎の場所に設定されています。
大船渡線40
ちなみに鉄道時代の大船渡線の陸前高田駅は
現在のBRTの駅舎からは南に2kmほど離れた場所にありました。
大船渡線41
旧駅のあったあたりは津波の被害が甚大で
街はほぼ更地の壊滅状態となりました。
現在(2017年5月)は旧駅周辺はご覧の通り土地の造成作業が行われており
復興工事の関係者以外は立ち入りができない状態となっています。



そしてかつて大船渡線では、
鹿折唐桑駅と陸前高田駅の間に、上鹿折駅、陸前矢作駅、竹駒駅の3駅がありました。
しかし上鹿折駅━陸前矢作駅間に県道は道幅が狭くて大型バスの運行が困難な為、
BRTでの運行となって以降は鹿折唐桑駅━陸前高田駅は支線扱いとなりました。
ここでは陸前高田駅を起点とする支線へと
一旦逸れて訪れる事とします。

大船渡線45
竹駒駅
1933年(昭和8年)に大船渡線で開業した駅です。
かつては陸前矢作駅と陸前高田駅の間に位置する駅で
単式1面1線の棒線駅でした。
BRTの乗降場としては相対式に乗り場が設置されています。
こちらは下り盛方面行き乗り場。
大船渡線46
上り線陸前矢作方面行きの乗り場です。
大船渡線49
上下線の乗り場は、構内踏切ともいうべき緑の通行帯で連絡しています。
大船渡線47
駅の外観。
かつて鉄道時代の竹駒駅があった場所と同じ場所に
現在のBRT乗降場も設置されています。
大船渡線48
駅前の国道340号線の様子です。
大船渡線50
駅メモでは駅の座標は国道上に設定されています。
Googleの駅マークの場所も同様ですが、
これはBRTで仮復旧した際に国道上に設置された乗降場の場所で、
現在でも修正されないまま残っているという事です。
10mほどのズレなのでアクセスへの影響はほぼ無いでしょう。
大船渡線51
この竹駒駅は、乗降場の前後の区間のみご覧の通り
大船渡線の線路用地を改修したBRT専用道路が作られています。
これは旧駅敷地の目の前にガソリンスタンドがあるなど
乗降場を国道上に設置した際にあった影響を考慮したものと思われます。



大船渡線52
陸前矢作駅
1933年(昭和8年)に大船渡線の駅として開業した駅であり、
東日本大震災の2011年(平成23年)に大船渡線自体が休止状態となった事で
駅施設自体は無事だったものの営業休止となりました。
大船渡線55
そして2013年(平成25年)に大船渡線がBRT仮復旧となった際に
この陸前矢作駅は1kmほど西の国道343号線沿いへと移設され、
陸前高田駅との間のBRT支線の終着点となりました。
大船渡線53
場所を移動し新設された陸前矢作駅は
ご覧の通りBRTの展開場として作られています。
ですのでこの駅から出発するBRTは下り盛方面行きのみです。
大船渡線54
こちらがBRTの発着する現・陸前矢作駅と
駅メモでの陸前矢作駅の駅座標がある旧・陸前矢作駅跡の位置関係です。
現在運行しているBRTの陸前矢作駅は
鉄道時代の陸前矢作駅からは北東に1kmほどの場所にあります。
はっきり言えば現用の駅と駅座標がずれている訳ですが、
このあたりは駅間も広いのでアクセス自体には大きな影響は無いでしょう。
大船渡線56
ちなみにこちらが旧・陸前矢作駅跡へと続く道です。
大船渡線57
旧・陸前矢作駅の駅舎。
大船渡線58
見た目のさほど古くない建物ですが、
財産表が「平成10年1月」を示す通り
1998年(平成10年)に建て替えられたものです。
大船渡線59
駅舎は地域住民へと開放されているそうで、
中を見るとご覧の通り綺麗に使われていました。
大船渡線60
こちらが駅のホーム。
千鳥式にホームが配置されている2面2線の駅でした。
現在は列車が入線することは無い廃ホームですが、
比較的綺麗な状態で残っています。
大船渡線61
ホーム上に残る大船渡線の79と1/2のキロポスト。
大船渡線62
ホームの西端、かつての気仙沼方面側には
2つのホームを連絡する構内踏切の跡が残っていました。
大船渡線63
構内踏切からホームへと連絡する通路。
大船渡線64
反対側のホームの様子です。
ご覧の通り廃駅となった今でも比較的良好な状態で駅が残っていました。



大船渡線65
こちらは大船渡線BRT区間の
気仙沼駅━陸前高田駅間のau 4G LTEでのサービスエリアマップです。
山間部で電波の届かない場所もありますが、
基本的にBRTの乗降場はどの駅も電波エリア圏内となっています。
各駅付近でBRT車内からアクセスする場合に不都合は無いでしょう。


ちなみに気仙沼駅からレーダーを飛ばした場合、
12駅で長部駅、14駅で陸前矢作駅までしか届かず
竹駒駅や陸前高田駅などには届きません。
これら陸前高田市付近の駅は反対側に盛駅からもレーダーで届きません。
このあたりの道路状況などを考慮しても
コンプするには素直にBRTに乗るのが一番楽な方法だと思います。


それでは陸前高田駅━盛駅間はその2で。