でんこの元ネタ
■No.20: 丸地にころ(Multi Nikoro)
 ■タイプ:トリックスター
 ■誕生日:3月13日

■出身駅: なし(運用は安治川口駅~東京貨物ターミナル駅間)
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駅メモのでんこである「丸地にころ」のモデルとなった
JR貨物M250系スーパーレールカーゴが運用されているのが
大阪のJR西日本・桜島線の安治川口駅
東京・大井の東京貨物ターミナル駅という
東西の貨物ターミナル駅間です。

2004年(平成16年)3月13日のダイヤ改正によって
東京貨物ターミナル駅━安治川口間駅で「臨時高速貨物列車」9057列車・9056列車として
営業運転が開始されたのがこちらのM250系の最初の運用であり、
駅メモで「丸地にころ」の誕生日として設定されている3月13日は
この営業運転開始日が由来
となっています。


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こちらは国道357号線(湾岸道路)と環七の交わる
環七大井ふ頭交差点です。
モノレールの流通センター駅から徒歩では
西に25分程度といったところでしょうか。
東京貨物ターミナル駅の正門はこの交差点の近くにあります。
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交差点から東側へと振り返ると
ご覧の「JR貨物」の名前の入った建物が見えます。
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こちらが東京貨物ターミナル駅の事務所棟となります。
ターミナルの広大な敷地の南側に設けられています。
ビルの上には駅名標ともいうべき「東京貨物ターミナル駅」の文字が入っており、
また駅所在地の住所もここになっていますので、
駅舎と考えて良いのではないでしょうか。
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こちらが事務棟の横にある、環七に面した駅の正門です。
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正門の中はご覧の通り。
手前は駐車スペースとなっており、その奥に
引き上げ線の並んだ貨物ヤードが広がっています。

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そしてこちらは大井中央陸橋。
広大な東京貨物ターミナル駅の中央部付近に位置しており、
首都高湾岸線と東京貨物ターミナル駅の上を跨ぐ陸橋です。
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モノレールの流通センター駅側、陸橋の西側から渡ると
首都高を越えてすぐにJR東海の新幹線検修庫が見えます。
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新幹線の車両基地を越えて進むと
まもなく貨物の車両基地の上へと差し掛かります。
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大井中央陸橋脇の事務棟。
こちらにも「東京貨物ターミナル駅」の文字が書かれています。
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そして事務棟の向かいには、貨物ターミナル敷地へとつながる
車両のスロープ路の入口が設けられており、
詰所があって警備員が常駐しています。

JR貨物は近年、貨物ターミナル駅構内の敷地に
「エフ・プラザ」という総合的な物流機能を持った大規模複合施設を設けています。
こちらは東京貨物ターミナル駅敷地の東側に作られた
エフ・プラザ敷地への入口となっています。
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入口から跨線橋を渡った先にあるご覧の建物が
東京貨物ターミナル駅に11棟あるエフ・プラザのA棟です。
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スロープ路の脇には、敷地内であるが故にターミナル関係者しか入れない
ローソン八潮三丁目店が見えます。
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そしてこちらがエフ・プラザA棟、佐川急便城南営業所です。
エフ・プラザの建物はJR貨物が顧客の要望よってカスタマイズした建物を
貨物ターミナル敷地内に建てて提供をするものですので、
建物には「JR貨物」と「佐川急便」の文字が両方入っています。
この建物が、佐川急便の東京方のコンテナ発着の拠点となっています。

「丸地にころ」のモデル車両は開発経緯から見ても、
実際の運用を見ても事実上佐川急便専用列車となっています。
そう考えた場合、佐川急便の鉄道コンテナを扱うこの建物こそが
にころの出身駅と考えても良い
気がします。


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ところは変わってこちらは大阪にある
JR西日本の桜島線(ゆめ咲線)の安治川口駅です。
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駅前の市道をユニバーサルスタジオジャパンのある西へと向かって見た光景。
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250mほど進むとご覧の進入路があり、
安治川口駅の貨物ヤードへの入口となっています。
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こちらが貨物を取り扱うコンテナホームの様子です。
着発線荷役方式(E&S方式)という大阪近郊でも有数の
近代的な設備を持つ貨物駅だそうです。
この貨物駅が大阪方のスーパーレールカーゴの拠点となります。
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貨物の引き上げ線の脇には「日本貨物鉄道(JR貨物)」の名前の入った建物が。
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そして日中の安治川口駅の貨物ヤードでは、
前の晩に東京を出て早朝に到着したM250スーパーレールカーゴが
コンテナを下ろされて電車のみの状態で留置されているのを見ることができます。

横には「トップリフター」と呼ばれるコンテナを上から挟んで降ろす
着発線荷役方式の貨物駅では必要な重機がありました。



■モデル車両: JR貨物 M250系直流貨物電車スーパーレールカーゴ
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(写真:2017年6月・八丁畷駅にて)
1997年(平成9年)12月に締結された京都議定書によって
二酸化炭素 (CO2) 排出削減の機運が高まる中、
JR貨物ではモーダルシフト(輸送手段変換)を目指して
1999年(平成11年)に高速荷物輸送開発プロジェクト「カーゴ21」を発足します。

そのプロジェクトの一環としてJR貨物では、
中距離輸送に適した貨物列車を開発する事による
東京━大阪間での宅配貨物輸送のモーダルシフトを佐川急便に対して提案します。

提案を受けた佐川急便は2001年(平成13年)10月にJR貨物と基本協定書を調印。
特急コンテナ電車開発を共同で進める事となったのです。

こうして開発されたのが貨物列車の前後に電動貨車をつけた
世界初の特急コンテナ電車であるM250スーパーレールカーゴとなります。
つまり、M250という電車はJR貨物と佐川急便の共同開発で誕生した車両という事です。
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こちらは電動車の車体横につけられている
スーパーレールカーゴのロゴマークです。
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これはM250系専用の31フィートコンテナ。
佐川急便の保有するコンテナであり、
スーパーレールカーゴに積載する為に作られた
専用規格の規格外コンテナです。
このコンテナは公道では専用トラックに積んで運ばれます。
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街中の佐川急便のトラックなどでよく見るこのデザインは
「ギャラクシーカラー」と言って宇宙(銀河)と星雲をモチーフとした塗装です。
元々青は佐川急便のコーポレートカラーですが、

   シルバー…現代の象徴の色であり、また信頼性をも現す
   ホワイト…秩序や清潔さを現し、自然と人工物の間のクッションという役割を意味
   ブルー …地球・自然を感じさせ、現代性も伝える

という意味合いを持っているそうです。

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(写真:2017年6月・戸塚駅付近にて)
M250系という車両系列名ですが、
まず「M」は動力分散方式 (Multiple unit train) の頭文字を示します。

通常の貨物列車の場合、先頭の機関車のみが動力を持ち、
後ろの自走できない貨車をひっぱる事で運行しています。

これに対して、特に日本の電車の多くの場合は
連結されたそれぞれの車両に動力があって「力を合わせて引っ張る」形式となります。
荷物をみんなで持てば軽くなる様に、
電車もみんなで引っ張れば一両あたりの引っ張る重さは軽くなります。
これはブレーキを掛ける時も同様で、
要は動力分散によって列車スピードを早くできるという事です。


しかし、動力を分散するとそれぞれの車両にモーターなど駆動の設備は必要です。
設備の重さが重くなると、その分一両に積める荷物の重さは少なくなる
という事はお分かりになると思います。

会社が業務で使う荷物などですと、時には人が持てない重量物を運んだりします。
しかし、宅配便で送る荷物というのは、基本的に一個一個は人間の持てる重さの荷物です。
つまり電車からすれば「宅配荷物は軽い」という訳です。
軽ければ動力分散で多少積載量が減っても問題がありません。

つまり「宅配便専門」の貨物電車であれば
動力分散方式の列車はメリットが勝る
訳です。


そして「M250」の「2」は直流区間用を、
「50」は最高速度110km/h超の車両である事を示しているそうです。

このM250系を元ネタとする駅メモのでんこ「丸地にころ」のネーミングですが、
「丸地」は動力分散方式のMultiple(マルチプル)の「マルチ」から、
「にころ」は「250」をカナにしたものと推測
されています。
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(写真:2017年7月・西九条駅にて)
こちらは編成の両端の先頭車両となるMc250形
制御電動車 (Mc) でコンテナを一個搭載できます。
構造上の理由から、設備部分よりもコンテナ積載部の床が一段低くなっています。
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M251形
先頭車両の次に連結をされている車両であり、
中間電動車としてモーターを積むことで
動力分散方式の一端を担っている車両となります。
この車両もコンテナを一個搭載でき、
コンテナ積載部の床が低くなっています。
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そして付随車のT260形T261形
この二種類の車両はコンテナを1両に2個積載できる車両で
お互いが対となって16両編成のM250系の中間12両を構成しています。

M250系では車両の状況や機器の動作状態などを運転席でモニタリングしていますが、
T260形とT261形の違いはこのモニタリング機器を搭載しているか否かによります。
搭載しているのはT260形であり、
T260形に設置した端末装置がT261形の機器についてもモニタリングを行っています。
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外観はほぼ似通ったT260形とT261形ですが、
T260形の東京側の車端部には昇降用のステップと手すりが設けられており、
この違いで両者を見分ける事も可能です。


そしてこのM250系スーパーレールカーゴは
毎日東京貨物ターミナル駅━安治川口駅間は一往復運行しています。
以下は2017年3月のダイヤ改正後のスーパーレールカーゴの簡単な時刻表です。


 下り 51レ 東京タ 23:14 静岡貨 1:16 岐阜タ 3:37 安治川口 5:26
 上り 50レ 安治川口 23:09 岐阜タ 0:59 静岡貨 3:20 東京タ 5:20



このダイヤグラムはJRが何度も時刻表が改正されているにも関わらず、
どうやらもう何年にもわたって同じ時間のダイヤで運行されているようです。
ご覧の通り深夜に発車し早朝に到着をするというダイヤが組まれています。

そして「発駅基準で日曜日は運休」となっています。
ですので日曜23時発翌朝月曜5時着の列車が運休となるので
実際にM250系を見たい方は注意が必要です。

東京でも大阪でも列車の到着時刻はほぼ5時半前です。
つまり明るい時間にスーパーレールカーゴを撮影するには
日の出時刻が5時前くらいの時期でないと無理
という事になります。
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こちらは安治川口駅を23時過ぎに出発して
隣の西九条駅を通過するスーパーレールカーゴの50レです。
旅客駅の構内でご覧の明るさですから途中の線路上では何も見えない訳です。

すると撮影時期は当然限られてくる訳で、
毎年6月前後の夏至の前後の日の出の早い時期でないと撮れない訳です。
故に鉄道マニアの間では撮りづらい列車の一つに挙げられているそうです。

冬場では走っている時間は全て暗闇の中ですので、
真夏の早朝3時くらいに起き出した者だけが見れるという
スーパーレールカーゴとはそんな貨物電車なのです。

【上動画はクリックで再生します。】
最後に八丁畷駅を通過するスーパーレールカーゴの姿を動画にて。