でんこの元ネタ
■No.59: 嵯峨野もみじ(Sagano Momiji)

 ■タイプ:アタッカー
 ■誕生日:4月27日

■出身駅: 嵯峨野観光鉄道嵯峨野観光線(駅としての指定は無し)
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嵯峨野観光鉄道はJR西日本が100%出資している子会社です。

明治時代に開通した山陰本線の線路を電化複線化する為、
1989年(平成元年)に嵯峨駅(現在の嵯峨嵐山駅)━馬堀駅間で
旧線から新線へと路線の付け替えが行われました。

この時に旧線は一旦廃線となるも、京都府の要請などにより
「観光鉄道として再利用する」として設立したのが嵯峨野観光鉄道でした。

1991年(平成3年)4月に嵯峨野観光線として
トロッコ嵯峨駅━トロッコ亀岡駅間の7.3kmが開業したものの、
当初の予測では先行きは厳しいものでした。

しかしJR西日本から出向した社長以下の奮闘により、
嵯峨野観光鉄道は初年度から予想を大きく上回る利益を計上し、
京都嵐山の観光の目玉スポットとされるまでに成長しました。


この嵯峨野観光鉄道の「嵯峨野」が、
駅メモのでんこである「嵯峨野もみじ」の苗字の由来
だと言われています。
ほとんどのでんこが実在駅を苗字の由来としている中で
路線名が由来となるこちらのケースはレアケースと言えるでしょう。

路線については以下の記事で紹介していますので
そちらをご参照ください。

参考
「【攻略】嵯峨野観光鉄道」
http://stationmemories.blog.jp/archives/26650542.html




■モデル車両: 嵯峨野観光鉄道DE10形ディーゼル機関車1104号機
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【上写真・嵯峨野観光鉄道DE10形ディーゼル機関車】
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【上写真・嵯峨野観光鉄道SK200形】


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DE10形は国鉄が開発した中型ディーゼル機関車です。
上の写真は「国鉄色」と呼ばれるDE10の基本とも言える塗装の車両となります。

旅客列車や貨物列車の牽引と、スイッチャーと呼ばれる
ヤードなどでの列車の入れ替えを目的として開発された機関車であり、
電化、非電化区間に関わらず日本各地で活躍を続ける機関車です。

1966年(昭和41年)から1978年(昭和53年)まで700両余りが生産され、
その形式名から「デーテン」と呼ばれ親しまれています。


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そしてこちらがDE10形1104号機です。
嵯峨野観光鉄道が所有している唯一の機関車となります。

国鉄の開発したDE10形機関車の1104号機は
1971年(昭和46年)6月25日に落成し、
京都の福知山機関区に配置されました。
その後機関区が運転所となり、国鉄からJR西日本へと会社が変わっても
この1104号機は一貫して福知山運転所の所属機関車として現役を過ごしました。

そして1991年(平成3年)1月31日に廃車となって
JR西日本から嵯峨野観光鉄道へと転籍。
車体が現在の専用塗色に塗り替えられ、
4月27日の嵯峨野観光鉄道の営業開始より専用車として
トロッコ列車を牽引して現在に至っています。

この列車をモデルとする駅メモのでんこ「嵯峨野もみじ」は
誕生日が4月27日と設定されています。
これは嵯峨野観光鉄道の開業日が由来と見て間違い無いでしょう。


嵯峨野観光鉄道ではトロッコ列車と呼ばれる「嵯峨野号」は1編成のみであり、
基本的にDE10形1104号が唯一の機関車として編成を牽引しています。
そして機関車は東側のトロッコ嵯峨駅方に連結されています。
これは嵯峨野観光線のトロッコ嵯峨駅━トロッコ嵐山駅間が
JR山陰本線の下り線使用している事が理由です。

その路線の形式から、トロッコ嵐山駅からトロッコ嵯峨駅へと向かう列車は
JR山陰本線の下り線を逆走する事となります。
その為、万が一にJRの列車とトロッコ列車が正面衝突をした時に
機関車がクッションの役目を果たし客車を守る為、
トロッコ嵯峨駅方へと機関車が連結されている
のです。

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こちらは京都鉄道博物館に留置されているDE10形1156号機です。
1972年(昭和47年)に製造されて姫路第一機関区配置され、
梅小路運転区に1992年(平成4年)に転属、現在に至っています。
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こちらが梅小路運転区の写真ですが、
ご覧の通り京都鉄道博物館の敷地内に運転区が併設されています。
この運転区には数多くのSLが在籍しており、
DE10形1156号機は運転区内でスイッチャー(列車の入れ替え)を担当しています。

この1156号機はJR西日本所属の機関車ですが、
車体のカラーリングが嵯峨野観光鉄道の1104号機と同じ色に塗られています。
これは、この1156号機が嵯峨野観光鉄道の予備機となっているからで、
1104号機の整備や検査などの時には嵯峨野観光線を代走で走っています。

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そしてこちらが編成の西側、トロッコ亀山駅方に連結されている
嵯峨野観光鉄道のSK200形です。

この車両自体に動力は無く基本的には客車なのですが、
先頭車両として運転台が設けられています。
この運転台から機関車を遠隔制御する事で
推進運転(後方から列車を押して走る事)を行います。
日本の法令では鉄道は進行方向最前部の車両の前頭で操縦する事が義務だそうですので
その為にこのSK200形が運転台のある制御車となっているという事です。
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こちらが車内の様子です。
木製の椅子の客車である事が分かります。

駅メモのでんこ「嵯峨野もみじ」のデザインでは
ブレスレットがこちらのSK200形のフロントガラスの形をしていますので
キャラクターのデザインモチーフの一部である事が分かります。

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こちらは機関車の真後ろに連結されるSK300形です。
機関車を入れるとトロッコ嵯峨駅方の2両目となり、
客車としては5号車の番号が振られています。

トロッコ列車の他の車両は密閉式の通常の車両なのですが、
この5号車の壁と床は格子となっており風雨が素通しとなります。
これは嵯峨野観光鉄道の初代社長の
「美しい自然・環境を身体全体で感じ
四季の移り変わりを実感できる最もリッチな車両」

というコンセプトによるもので、
この車両は「ザ・リッチ」と名づけられています。
1998年(平成10年)に嵯峨野観光鉄道に増備された車両となります。

この車両は当然ながら、風雨の強い日など悪天候時には乗車ができません。
ですから嵯峨野観光鉄道の他の客車は事前に座席予約ができますが、
当日の天候コンディションの見極めの必要な「ザ・リッチ」のみは
座席は当日券しかありません
乗車手配の際にはご注意ください。



ところで嵯峨野観光鉄道の客車についてですが、
5両全ての車両が「トキ25000形無蓋車」という貨車を転用改造したものとなっています。
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【上画像:トキ25000形無蓋車
 貨車画像:伊勢崎軌道様 http://www.sea.sannet.ne.jp/isesakikidou/index.html


全国にいくつかの路線でトロッコ列車が運行されていますが、
ほとんどと言っても良いくらい、どのトロッコ列車もこの貨車を種車として
乗客の乗れる客車へと改造が施されたものです。
そして嵯峨野観光鉄道の客車もその例に漏れず、
SK200形はトキ27541、SK300形はトキ25833(いずれも車番)が元の貨車となっています。

トキ25000形無蓋車は1966年(昭和41年)より新しく設計された
36トンの貨物を積める貨車であり、
昭和41年(1966年)から昭和50年(1975年)までの間に
何度かの改良が施されながら4500両余が作られました。

石炭輸送や材木、砂利、土砂、機械などの物資輸送で活躍をしたトキ25000形ですが、
貨物ヤード経由の輸送廃止や貨物のコンテナ化などによって
現在ではそのほとんどが役目を終えて廃車となっているそうです。



そして以下は嵯峨野観光鉄道のトロッコ列車の、
編成の中間に連結されるSK100形の客車です。
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こちらが4号車となるSK100-1
トロッコ亀山駅方(西側)の二両目となります。
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編成のちょうど真ん中となる3号車のSK100-11
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そして2号車のSK100-2です。
それぞれがガラス窓のついた密閉式の客車となっており、
赤がベースの車体には黄色と黒の模様が描かれています。
「嵯峨野もみじ」のキャラクターを見れば
これらの客車のデザインがモチーフとなっているのは容易に分かると思います。
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車内の様子です。
座席は木製のものがボックス状に配置されています。
元がトキ25000形の貨車(トキ28370、トキ28266、トキ28360)なので
車両の足回りも貨車の板バネで少々固い感じはします。
ですがこれはトロッコ列車という観光列車ですから
居住性よりもイベントとしての楽しさの方が重要だと思います。
ですから乗り心地は問題無いでしょう。
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京都市外からも近く、ごらんの保津峡の景勝を楽しめるこの鉄道は
一度は乗って損の無い鉄道だと思います。

山陰本線でアクセスやレーダーでのコンプができますけど、
乗った方が楽しいですよ。

では。
【写真撮影:2017年10月】