でんこの元ネタ
■No.06 シャルロッテ=フォン=ハノーファー(Charlotte von Hannover)
 ■タイプ:トリックスター
 ■誕生日:8月6日

■出身駅: ドイツ鉄道(DB) ハノーファー中央駅(Hannover Hbf)
シャル01
ご存知の通りドイツはかつては西ドイツと東ドイツに分断されていて、
ベルリンの壁の崩壊によって1990年(平成2年)に統一ドイツとなりました。

当然ながら鉄道も東西それぞれのドイツが国鉄を持っており、
西ドイツ側の国鉄はドイツ連邦鉄道(Deutsche Bundesbahn)、
東ドイツ側はドイツ国有鉄道(Deutsche Reichsbahn)として官営鉄道が存在していました。

そしてドイツ統一後の1994年(平成6年)に東西国鉄が統合の上民営化。
ドイツ鉄道(Deutsche Bahn AG)となりました。
Deutsche(ドイチェ)は「ドイツ」、Bahn(バーン)は「鉄道」、AGは「株式会社」ですので
日本で言えばまさしくJR(Japan Railway)という事になります。
通常はDB(デーベー)と略されるところも同様でしょう。


ハノーファー(Hannover)はドイツ・ニーダーザクセン州の州都であり
北ドイツの主要都市のひとつにあたります。

ドイツの鉄道では都市の代表駅にはハウプトバーンホフ(Hauptbahnhof・Hbf)が付けられており、
ハノーファーの中心駅はすなわちハノーファー中央駅(Hannover Hauptbahnhof)となります。
シャル02
こちらがそのハノーファー中央駅の駅舎です。

駅の開業は日本では江戸時代末期の1843年(天保14年)で、
当時はハノーファーはハノーファー王国でしたので
「王立ハノーファー邦有鉄道」という国有鉄道の
「ハノーファー━ブラウンシュヴァイク線」という路線の駅として開業しました。

現在の駅舎は1876年から1879年にかけて建てられたそうで、
第二次世界大戦時に大きな被害を受けたものの
戦後に再興されて現在に至っているそうです。
シャル03
駅のホームは6面12線あるそうで、ご覧の通りかなり大きな駅となっています。
またこの駅ではDBの鉄道の他に「ハノーファーSバーン」と呼ばれる
いわゆるライトレールの鉄道が乗り入れています。

日本風に言えばこのハノーファー中央駅は
地上の鉄道、地下鉄、路面電車の駅であると言えば分かり易いでしょうか。

また日本の鉄道と異なる点として、
この駅には改札口がありませんので自由に出入りができます。
車掌も乗車しておらず、運転士がワンマン運転で切符を回収することもありません。
ですが不定期で車内検札が実施されており、
いわゆるキセル乗車が発覚すると1000ユーロ(13万円前後)の罰金を取られます



■モデル車両: 広島電鉄200形238号(ハノーバー電車)
シャル04
広島電鉄の走る広島市とハノーファー市は
1983年(昭和58年)に姉妹都市として調印をしています。

広島市がハノーファー市に姉妹都市締結5周年の記念として
1988年(昭和63年)に茶室を贈り、ハノーファーのシュタットパーク(市立公園)には
「洗心亭」という茶室が設けられています。
この茶室の返礼としてハノーファー市から広島市に贈られたのが
「ハノーバー電車」と呼ばれる古風なトラムカー(路面電車)で
広島電鉄200形238号となります。
シャル05
その為「ハノーバー電車」の車体には
ご覧の通りハノーファー市から広島市への礼文が書かれています。
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世界で初めて電車を実用化したドイツでは、
第二次大戦後に西ドイツが路面電車を各都市で導入して輸送力の強化を図っています。
その西ドイツの代表的な車両メーカーがデュッセルドルフ車両製造、
すなわちデュワグ(DUEWAG)です。

「ハノーバー電車」こと200形238号車は1950年(昭和25年)にデュワグで製造されました。
元々は1928年(昭和3年)製の車体で、第二次大戦で被害を受けた
車両の部品を利用して新しい車両を製造したものです。
ドイツではこのような車両をaufbauwagen(復興車)と呼ぶそうです。
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この車両は1976年(昭和51年)までハノーバー市電を走っていました。
その後ハノーファーのトラム博物館で保存され、
再びハノーバー市電で動態保存されていたものが広島市に寄贈、
1988年(昭和63年)に広島電鉄に入線となっています。
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車体でひときわ目立つのが、こちらのボディに対しても大きなパンタグラフです。
駅メモのシャルロッテの小さな体にひときわ大きなパンタグラフのモチーフとなっています。

そしてパンタグラフの下の屋根一面に設けられているのが抵抗器です。
これは速度制御に必要で昔の欧州の電車に設けられているものです。
自動車には「エンジンブレーキ」というものがありますが、
電車にも「発電ブレーキ」というものがあり、
減速の時にはモーターで発電をして負荷を掛けることでブレーキを掛けます。
この時に発電した電気を熱で消費するための機構がこちらの抵抗器です。
そしてこの抵抗器が屋根一面にある為
ハノーバー電車はエアコンをつけることができません

シャル09
そして車両の窓はご覧の通り大きく、
ハメ殺しとなっていて開閉する事ができません。
こういった特性もあり、ハノーバー電車は夏期間は運行されておらず
冬期間(11月~3月)の土曜日曜祝日のみ広島の街を走っています。
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こちらが車両の全面の外観です。
車体はクリーム色(   )のボディに
小豆色(   )のラインが入っています。
駅メモのシャルロッテの衣装を見ると、この車体のカラーリングを基本として
車体前面のライトの配置がそのままデザインモチーフとなっているのが分かります。
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こちらが車内の様子です。
広電入線時に木製ベンチシートの難燃化やワンマン運転設備の新設など
日本の保安基準に則った改修は行われたものの、
基本的にはハノーファーを走っていた時の状態から変えられていません。
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座席は中央部が2+1列のボックスシートで、
両端がロングシートとなっています。
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車内の運転台とのついたてや窓枠、シートも木製となっており
ご覧の様にビス留めで取り付けられていました。
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壁や枠のところどころにはご覧の降車ブザー(メモリーチャイム)が。
日本のバスで昭和40年代から50年代頃に使われた
オージというメーカーのものの様ですので
こちらは恐らく広電入線時にワンマン運転用に追加されたものでしょう。
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運転台付近の様子です。
車両の両端にある運転台はマスコンが円形のハンドルだったり
運転士の頭上に無骨にスイッチ類がむき出しでついていたりと
非常に味のある外観となっています。

両替機と運賃回収箱はついているものの、
広島電鉄で現在使われているICカードの読み取り機はありません
ですので私の乗った時には車掌が乗務して乗客にその旨を案内していました。

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こちらは広島電鉄8号線(横川線)の終点の江波電停です。
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江波電停の奥の終端には広島電鉄の江波車庫があり、
路面電車と路線バスの車庫や営業所があります。
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普段はこの江波車庫にハノーバー電車は留置されており、
運行時にだけご覧の様に車庫から出てきます。
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車庫を出て江波電停に停まるハノーバー電車。
現在では土日祝日にだけ二往復、広電8号線(横川線)を往復運行している様です。
【写真撮影・2018年1月】