でんこの元ネタ
■No.10 象潟いろは(Kisakata Iroha)
 ■タイプ:トリックスター
 ■誕生日:11月23日

■出身駅: JR東日本 羽越本線 象潟駅(秋田)
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象潟駅は1921年(大正10年)に国鉄陸羽西線の延伸によって開業した駅であり、
1924年(大正13年)に羽越北線と陸羽西線がつながった事によって
所属が羽越線へと変更となります。
翌年の1925年(大正14年)に支線の開業によって羽越本線となり、
以後JRに移管の後も羽越本線の駅として現在に至っています。

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こちらは象潟駅の駅舎の外観です。
1966年(昭和41年)に改築された鉄筋平屋の駅舎ですが、
秋田デスティネーションキャンペーンを契機に
2012年(平成24年)に駅舎のリニューアルが行われ、
入口前に和風屋根に木製格子のついた防風壁が作られて現在の姿となっています。
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防風壁の内側の駅舎入口付近の様子です。
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入口脇にある駅名標。
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駅舎の中の様子です。
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入口の正面奥にある改札です。
駅長配置の有人直営駅となっており、
改札は列車別改札で、到着直前に案内があり改札されていました。
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入って左手には券売機ときっぷ売り場の入口があります。
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券売機の上の運賃表です。
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きっぷ売り場の中の様子となります。
特急券券売機があり、券売窓口のカウンターがあります。
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こちらが駅舎に入って右手の待合室側の壁です。
駅舎リニューアルによって和風テイストに改装されています。
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壁に掛かっていた駅名の由来。
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待合室の中の様子です。
木製の格子や飾り障子などで和風の装飾がされており、
広めの部屋の中央に木製ベンチが並んでいます。
自販機やコインロッカーのある付近はかつては売店があったそうです。
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待合室の一角にあるにかほ市の観光案内所。
9時から開いてレンタサイクルが借りられると聞いていたのですが
なぜか不在で閉まっていました。
この観光案内所はかつては「伯養軒」という
東北で有名な駅弁屋さんのスペースだったそうです。
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ホームに入って改札前付近の様子です。
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駅はいわゆる国鉄型と呼ばれる単式と島式の2面3線のホームとなっており、
こちらが駅舎のある1番線ホームとなります。
下り線の羽後本荘・秋田方面行きホームです。
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ホームにある観光案内の表示看板。
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1番線の南側の酒田方面側の光景です。
象潟駅は駅構内は列車交換の出来る複線ですが、
駅の前後は単線区間となっています。
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改札脇の待合室の窓の上には
「奥の細道 最北の地 象潟」の看板が掲示されています。
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1番線ホームにある観光案内所の窓です。
ホーム側にカウンターのある窓が観光案内所に必要だとは思えませんが、
元々が駅弁屋だったスペースの転用だと知れば納得がいきます。

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ホーム同士を連絡している跨線橋です。
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跨線橋からみた北の秋田方面の俯瞰。
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南の酒田方面への光景です。

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こちらは島式の2、3番線ホームです。
駅舎寄りの2番線がりの酒田・新潟方面行きとなり、
反対側の3番線は退避線となります。
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島式ホームの南側。
特急列車の停まる2番線はホームが継ぎ足されているのが分かります。
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こちらのホームにも観光名所の案内板はありますが、
1番線の国鉄式のものとは異なり絵入りとなっていて凝っています。
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3番線の東側には、南の酒田方面から分岐した退避線があります。
マルチプルタイタンパーなど保線車両が留置されていました。
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そして保線車両のある引き上げ線のさらに東側にもスペースがあり、
フェンスの向こう側にも草地が広がっています。
かつて貨物列車が全盛だった時代にはこの東側にも数本の貨物専用線があったそうですが
時代の移り変わりとともに専用線は廃止され、スペースはその名残りのようです。

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駅舎の前に戻ってこちらは駅前の広場の様子です。
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象潟駅の駅前は広場の中央部が駐車スペースとなっており、
その周囲をロータリーとして使用しています。
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駅前広場の南東の角にはご覧の店舗が。
1階は民芸品屋で2階が喫茶店という店舗ですが
恐らく同一のオーナーの店舗だと思われます。
私が訪れた時に駅近辺でちゃんと営業していたのはこちらくらいでした。
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店舗の並びにはご覧の案内看板と石碑が。
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石碑にほうには「天然記念物 象潟」と刻まれています。
これは象潟の地形そのものが国の天然記念物に指定されている事を示しているものです。
かつては鳥海山の噴火によって浅い潟湖と大小無数の島々の並ぶ景勝地であり、
松尾芭蕉が松島と並んで句に読んだほどの名勝でした。

そして江戸時代に地震で土地が隆起。
浅い海は陸地となり、大小の島々は田んぼに囲まれる事となりました。
この光景が1934年(昭和9年)に国に天然記念物として指定されています。

参考
文化庁 文化遺産オンライン「象潟」
http://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/215829

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石碑のとなりには象潟の光景を説明する案内板が設置されていました。

ふと思ったのですが、駅メモのでんこの「象潟いろは」が天然キャラなのは
象潟が天然記念物なので天然つながりなのでは
、と。

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こちらは駅前広場の正面中央にある時計塔です。
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時計の下には「ようこそ池田修三のふるさと象潟へ」とあり
特徴的なキャラクターの絵があります。
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駅舎の入口の脇の、待合室のガラス窓にもご覧の通り
「池田修三の町 象潟」と題された絵があります。
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さらに駅構内の1番線の改札脇にも
「池田修三のまち、象潟へようこそ」と書かれた
大きな看板が乗降客の出迎えをしています。
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待合室の隅には大きな立て看板とタペストリーで
池田修三氏のキャラクターが展示されていました。

池田修三というひとは象潟出身の木版画家で、
1980年代には秋田の銀行の通帳やキャッシュカードにキャラクターが載っていたり
生命保険会社のカレンダーに採用され、
その作品は「秋田の人は誰もが見た事のある」という画家でした。

なんでも秋田の人は慶事などの際に池田修三氏の作品を贈る習慣があったそうで
実際に象潟の街を歩くといたるところで作品を目にする事ができます。

全国的には著名な画家ではありませんでしたが、
没後の2012年(平成24年)に秋田県のタウン誌で特集された事を契機に
近年その作品が再評価され注目をされているとの事です。
参考
なんも大学「池田修三という宝物 前編」
https://nanmoda.jp/2016/07/294/

なんも大学「池田修三という宝物 後編」
https://nanmoda.jp/2016/07/297/

イーアイデム ジモコロ「『フリーマガジンをきっかけに再評価』奇跡の画家・池田修三をたどる旅」
https://www.e-aidem.com/ch/jimocoro/entry/dango04


こちらも余談ではありますが、
駅メモのでんこ「象潟いろは」には「絵が画商に評価される」という話が
「でんこの話」である
のですが、その話のモチーフは
駅前に溢れる池田修三氏の作品なのでは、と思ったり。

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そして駅前広場の民芸品店の目の前には
こちらの「象潟停車場線」の起点の標識があります。
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駅の正面から西へと伸びているこの道は
県道168号象潟停車場線という、いわゆる停車場線の県道となっています。
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この県道は羽越本線と並走する国道7号線(羽州浜街道)を連絡する県道となります。
長さは117mという短さで、国道の象潟駅前交差点まではご覧の通りすぐです。

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国道7号線の象潟駅飴交差点から
北へとおよそ1.5kmほど進むと「道の駅象潟」があります。
なんでも東北最大の規模の道の駅だそうです。
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こちらが道の駅のメイン施設「ねむの丘」です。
1階の物産館の他に上層には展望温泉があって入浴が可能です。
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「ねむの丘」の横にはご覧の足湯施設が。
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こちらではご覧のにかほ温泉の足湯が無料で利用できます。
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そして「ねむの丘」の6階にはこちらの展望台が。
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西側には象潟の浜と日本海が一望できます。
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展望台の西側の解説板。
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そしてこちらが東側の解説板です。
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東側には象潟の地名の由来でもある
天然記念物の象潟の九十九島が一望できます。
象潟を上から展望できる施設はこちらだけです。
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道の駅の駐車場には松尾芭蕉の俳句の発句短冊碑なるものが。
象潟は「奥の細道」の旅の中でも最北の地となり
松尾芭蕉や奥の細道に関する史跡がいくつかあります。

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道の駅象潟と、象潟駅のちょうど中間あたりの国道7号線には
ご覧の蚶満寺(かんまんじ)の案内看板があります。
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案内に従い進むと羽越本線の踏切があり、
その奥に「皇宮山 蚶満寺」と書かれた寺標のある参道がありました。
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中へと入ると古くから文人墨客が訪れた名刹である寺の説明の看板が。
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象潟の地で句を読み、この蚶満寺へも訪れている松尾芭蕉の像がありました。
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芭蕉像の向かいには西施の像が。
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この象潟の地で芭蕉は
「象潟や 雨に西施が ねぶの花」
という句を詠んでいることから、
中国四大美人の一人である西施の像が置かれています。
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蚶満寺は象潟の九十九島の南端付近に位置しており、
境内からは島々を巡る遊歩道が伸びています。



■モデル車両: JR東日本 485系700番台 きらきらうえつ
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「きらきらうえつ」は羽越本線沿線への観光振興を目的として
2001年(平成13年)11月23日より新潟駅━酒田駅間で運行を開始した快速列車の名称です。

駅メモのでんこである「象潟いろは」の誕生日が11月23日に設定されているのは
モチーフであるきらきらうえつの運行開始日からと見て間違い無い
でしょう。
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車体外装は白を基調としており、
羽越本線沿線の色彩豊かな四季の風景をイメージカラー化して
パッチワーク風に様々な色をカラフルに配色
しているのが特徴的な車両です。

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「きらきらうえつ」の車両は元々は
国鉄時代に交直流型の特急車両として活躍をした
ご覧の485系がベースとなっています。

485系のうちの4両がJR東日本土崎工場(現・秋田総合車両センター)で改造。
足回りのみ485系の種車から流用し、
車体は新製されてあらたにジョイフルトレインとなりました。

形としては485系の改造車両となるため、
485系の700番台として番号が付与されています。
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他の485系700番台の車両としては、すでに廃車となっていますが
駅メモのマスターにはおなじみの「NO.DO.KA」などがあります。

「NO.DO.KA」と「きらきらうえつ」は共に
元の種車が485系であるジョイフルトレインであり、
いわば姉妹車とも言える存在
と言えるでしょう。


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それではきらきらうえつの各車両について個別に見てみたいと思います。

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きらきらうえつの1号車である酒田・象潟方面の先頭車両クハ484-702です。
ク(制御車)ハ(普通車)ですので運転台のある普通座席車両となります。
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また、カタカナに続く3桁の数字は4(交直流対応)8(特急電車)という意味があります。
実際は普通車なのですが元が485系なので485系700番台となっています。
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乗降扉は車両の後方の新潟方のみにあり、
デッキには日本海側にトイレと洗面所が、
山側にはスロープとなった客室への通路があります。
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切り返して2号車への扉方向の様子。
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トイレは洋式と男性用が並んでおり、奥が洗面所となります。
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洗面所の様子です。
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こちらは車内客室の様子です。
日本海側に2×10列、山側に2×9列の計38席となっています。
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客室前方の運転台の真後ろにはレストバーベンチが設けられた
簡易展望スペースとなっており自由に入る事ができます。


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酒田・象潟方面二両目の2号車モハ484-702です。
モ(中間電動車)ハ(普通車)ですのでモーターを搭載している車両となります。
この車両は「きらきらラウンジ車両」となっており定員には含まれていません。
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この車両の南側、新潟方面側の屋根には
ご覧のひし形パンタグラフが載っています。
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乗降扉はこの車両も新潟方にのみ設けられており、
デッキも乗降スペースのみとなっています。
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デッキから客室へと入るとまずあるのがこちらの「きらきら情報コーナー」です。
ジオラマのようになっている沿線地図と、プロジェクションマッピングにより
沿線の観光情報を案内しています。
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反対側の壁には沿線の観光情報やパンフレット類が。
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情報コーナーから奥へと進むと合計18席のボックス席があります。
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このボックス席のラウンジはかつては自由に座れるスペースでしたが
現在では茶屋での飲食物購入者が40分利用できるスペースとなっています。
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ラウンジの通路の窓の上には沿線各地の名物が飾られています。
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そしてボックス席の奥にはご覧の茶屋があります。
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こちらでは飲食物やグッズなどを販売しており、
購入者はラウンジのボックス席の利用が出来ます。
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また売店の目の前の通路にはカウンターが設けられてミニビュッフェとなっており
こちらでも飲食などの利用が可能となっています。


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酒田方面からは三両目、新潟方面から二両目の3号車のモハ485-702
モ(中間電動車)ハ(普通車)のモーター搭載車ですが
こちらの車両にはパンタグラフは無く、また車内には通常の座席があります。
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車両の新潟方にある乗降デッキ。
号車表示の隣に車椅子マークがついていることからも分かる通り
この車両にはデッキに多目的トイレが設置されています。
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トイレの隣には多目的室があり、車掌に頼むと利用が可能です。
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客室内の様子です。
日本海側に2×11列、山側には2×8列に車椅子用座席が2席あり
合計で40席となっています。
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こちらが山側の9列目と10列目の車椅子対応座席。
車椅子固定用のベルトも装備されています。
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座席のある客室から酒田方へと抜けると
ご覧のスペースがあります。
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通路にも窓のある山側のスペースは「きらきらルーム」と題されており、
カウンターと折りたたみの椅子が設置されて塗り絵が置かれていました。
このスペース、元は喫煙室だったものを改造したそうです。
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日本海側のスペースにはご覧のスタンプ台が。
きらきらルームの向かいには業務用室が置かれていました。


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新潟方の先頭車両となる4号車のクハ485-701です。
ク(制御車)ハ(普通車)ですから運転台のある普通車両ということになり、
基本的には1号車と同じ形と考えて差し支えありません。
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こちらは4号車の乗降デッキです。
基本的には1号車と同系なのですが、先頭車両同士で逆方向を向いている為に
こちらの4号車のみは乗降デッキが酒田方にあります(他の3両は全て新潟方にある)。
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客室側からみた乗降デッキとの扉付近です。
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こちらが客室内です。
合計で38席なのは1号車と同じですが、
4号車は日本海側が2×9列、山側が2×10列となっています。
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こちらも先頭部には簡易展望スペースがあります。
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最前部の運転台の様子です。

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21世紀の初頭から17年に渡って羽越本線の観光列車として運行し
すっかり馴染まれているきらきらうえつですが、
2019年(平成31年)9月での引退が事実上決定となっています。

というのは2019年10月には新潟県・庄内ディスティネーションキャンペーンが予定されており、
それに合わせて新観光列車である「海里」が運行開始する事が
プレスリリースで発表されているからです。
参考
JR東日本 新潟支社「新潟・庄内の食と景観を楽しむ列車「海里」デビュー」
http://www.jrniigata.co.jp/press/20181016kairi.pdf


鉄道系のニュースではJR東日本はきらきらうえつの引退廃車を決めたとの報道もありますし、
実際に私がきらきらうえつに乗車している際にも
車掌が乗客に、2019年10月にきらきらうえつと海里が入れ替えになる旨を案内していました。

ですのできらきらうえつに乗れるのもあと1年となります。
引退直前は混雑が予想されますので、
是非とも今のうちに「象潟いろは」のモデル車両を見ておくことをお勧めします。

では。

【写真撮影・2018年11月】