でんこの元ネタ
■EX No.26 ジン・ティエン(金 天:Jin Tian)
 ■タイプ:トリックスター
 ■誕生日:5月10日

■出身駅: なし(路線としては浜海快速 天津開発区導軌電車1号線 )
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天津経済技術開発区は1984年(昭和59年)に
国務院(行政の最高府で日本の内閣に相当)の認可を経て設立された
中国最初の国家級開発区の一つです。
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【上写真:鄧小平揮毫の「開発区には大きな希望がある」と書かれた石板】
当時の中国の最高指導者である鄧小平は「四つの近代化」を掲げた
市場経済体制への移行を進める政策を採りました。
こうしたいわゆる「改革開放」路線の中で、
先進国や華僑の資本を取り入れる為に沿岸部都市に設けられたのが
外資に経済特区並みの優遇措置が取られた経済技術開発区です。

国を挙げてインフラを整え外資を招いた結果、天津の開発区には3000以上の外国企業が入り
主に電気電子、化学、食品、医薬などの産業が立地する区域へと発展しました。
現在でも中国有数の工業地帯となっています。


「天津経済技術開発区」を英語で書くと
「Tianjin Economic-Technological Development Area」となり
頭文字で略すと「TEDA」となります。これに漢字を充てたのが「泰達」です。
この「TEDA」と「泰達」は天津経済技術開発区を示す地名としても使われています


天津経済技術開発区の建設が開始されたのは1984年(昭和59年)12月6日のことで、
中国共産党天津市委員会の決議と中央政治局の計画批准に拠ります。


そして開発区が発展すると、居住者の生活の質と利便性の改善の必要が生じ
公共交通システムの設置の必要性が高まりました。
その為2004年(平成16年)には設置に関するヒアリングが行われます。

候補にはバス、トロリーバス、トラム(路面電車)などが挙がったものの
ほとんどの住民や識者は路面電車案を支持。
これを受けてフランスロールインダストリー(Lohr Industrie)
2001年(平成13年)に開発したトランスロール(translohr)という
ゴムタイヤ式LRTが選定されました。

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2005年(平成17年)9月より建設工事が始められ、
開発区の設立22周年記念日にあたる
2006年(平成18年)12月6日に天津開発区導軌電車1号線が開通
浜海新区での鉄道建設のパイロットプロジェクトとして
総投資額1億9000万元をかけて建設された路線の開通式典が行われ、
トランスロール車両が実際に街での走行を開始しています。

今後のトランスロール導入の試験を兼ねる意味合いもあったことから
開通後もしばらくは試験線として乗客を乗せない無負荷試験運転を重ね、
実際に旅客運転を開始したのは2007年(平成19年)5月10日のことでした。

駅メモのエクストラでんこのジン・ティエンの誕生日が5月10日に設定されていますが
これは導軌電車1号線の旅客営業開始日が元であると考えて良いでしょう。


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トランスロールは同時期に欧州でも先行して導入が進められており、
クレルモン=フェラン(仏・2006年10月開業)、パドバ(伊・2007年3月開業)などで
同時期に営業運転が開始されています。
その後も上海(中国)、ヴェネツィア(伊)、サンドニ-ガルジェレゴネス(仏)など
欧州を中心に複数の都市で導入されています。
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また日本でも大阪の堺市でトランスロールの導入計画がかつてはありました。
堺市では沿岸部の工業地帯である堺浜と中心市街地を東西に結ぶ通称「東西鉄軌道」を計画し、
三井物産の主導によって新日鐵堺製鉄所の敷地内に「堺浜試験線」を作り
一般非公開でトランスロールの実車を使った技術試験を行っていました。

ご覧の通り、天津と同じ金色の車両が大阪で実際に走行をしていましたが、
2009年(平成21年)の堺市市長選でLRT導入反対派の市長が当選。
計画は白紙となり堺浜試験線の設備も撤去されました。


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こちらは天津開発区導軌電車1号線(トランスロール)の路線図です。
泰達站からほぼ一直線に7.86kmの距離を走り14駅が設けられています。
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起点となる津浜軽軌洞庭路站(泰達站)です。
名前の通り天津地鉄9号線と呼ばれる津浜軽軌の泰達站の駅舎があり、
その横にトランスロールの電停が設けられています。
相対式・島式ホーム2面2線の電停となっており、駅舎側が乗車ホーム、
反対の島式ホームが降車ホームとなります。
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泰達站の駅名標。

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導軌電車1号線はそのほとんどを、天津経済技術開発区を南北に走る
洞庭路という道路の中央を走っています。

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そして導軌電車1号線の北端にあたる終点の学院区北站です。
こちらは島式1面2線のホームとなっています。
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導軌電車1号線の走る洞庭路は天津科技大学泰達キャンパスの敷地中央部を通っており、
終点の学院区北站もご覧の通り大学の敷地に囲まれた中にあります。



■モデル車両: 浜海快速 天津開発区導軌電車(トランスロール)STE3形
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トランスロール(Translohr)はフランスのロールインダストリー(Lohr Industrie)が
2001年(平成13年)に開発したゴムタイヤ式の超低床式路面交通システムです。
中国語では「有軌電車」と訳されています。
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車両は軌道の中央に敷設される1本のレールを案内軌条としており、
床下にあるガイド輪が案内軌条を挟み込むことで車両を導いています。
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車両の外観です。
LOHR Translohr STE3の車体は欧州で走るトランスロールと同じ形であり、
車体は金色(    に塗られています。

トランスロールをモチーフとしているでんこのジン・ティエンの
苗字のジンが漢字では「金」ですが、これは車体色が由来
ではないかと考えられています。
ティエン(天)の方は恐らくは「天津」の天でしょうか。
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車内の様子です。1人掛けと2人掛けのシートが配置されており、
3両編成ヴァージョンでは167名の定員となっています。
ゆったり幅広に作られたシートは壁で固定されており座席下の床には何もありません。
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編成の両端と中央部に乗降扉が設けられており、
天津では中央部が乗り口、両端が降り口となります。
中央の乗り口には料金箱があって乗車時に2元を支払います。
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乗降扉のボタンです。
扉は半自動となっており、降りる乗客がボタンを押すと扉が開きます。
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乗降口の上にある路線図。
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こちらは運転席の様子です。
車両のコントロールは目の前にあるキーボード形の制御版で行い、
盤の前にあるのが中央モニターで速度などが表示されます。
基本的に案内軌条に導かれて走行するのでハンドルはありません。