でんこの元ネタ
■No.26 新百合ほこね(Shinyuri Hokone)
 ■タイプ:アタッカー
 ■誕生日:3月19日

■出身駅: 小田急電鉄 小田原線 新百合ヶ丘駅(神奈川)
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駅メモのでんこである新百合ほこねはご覧の通り「新百合」が苗字として設定されています。
これは同じく小田急ロマンスカーを元ネタとしている新百合うららと同じ苗字であり、
設定上もほこねとうららは姉妹となっています。

苗字の由来である小田急小田原線の新百合ヶ丘駅については
以下の記事で詳細を載せていますのでご参照下さい。
参考
でんこの元ネタ ■No.25 新百合うらら(Shinyuri Urara)



もともと新百合ヶ丘駅付近は周囲に何も無い山あいの土地で、
小田急線の駅も西生田駅(現・読売ランド前駅)の次は柿生駅でした。

1960年(昭和35年)に百合丘団地の造成に伴って百合ヶ丘駅が新設。
これが「百合ヶ丘」という駅名の元となっています。
由来としては駅周辺に神奈川県花の山百合が自生していたからだとも、
周辺の地主100人が協力してニュータウン開発が行われたことから
「百人が力を合わせた」とする説など諸説があります。

そして小田急多摩線の建設と周辺の線形改善の為の線路付け替えが行われて
1974年(昭和49年)に分岐駅として新百合ヶ丘駅が開業。
既に駅周辺が「百合ヶ丘」のニュータウン名として定着していたことから
新しい百合ヶ丘駅ということで新百合ヶ丘駅の駅名となったそうです。


駅メモのでんこの新百合姉妹の苗字は「新百合ヶ丘」ではなく「新百合」ですが
新百合ヶ丘駅周辺の住民も百合ヶ丘駅との区別から「しんゆり」の略称を日常的に使用しており、
語呂も良いことなどもあってでんこの苗字に採用されたのだと思われます。



■モデル車両: 小田急電鉄50000系電車 VSE
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元来小田急のロマンスカーは都心から箱根の温泉へと訪れる観光客を目的とした特急でした。
その為前面展望席を小田急ロマンスカーは代名詞としていましたが、
1996年(平成8年)導入のロマンスカーEXE車は通勤需要を目論み前面展望席が無くなりました。

しかしながらロマンスカーの代名詞である前面展望席が無くなったことで
逆に観光客へのイメージを損なう結果となりロマンスカーの利用者数が低下
これを受けて「小田急ロマンスカー」ブランドの復権を掲げた新型特急が企画されます。
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こうして2005年(平成17年)に「小田急の新たなフラッグシップモデル」として作られたのが
前面展望席のある50000形ロマンスカーとなります。
車両のデザインには外部デザイナーとして建築家の岡部憲明氏を起用。
岡部氏はMSE車など以降のロマンスカーのデザインをも手がける事となりますが
50000系は最初にデザインした列車となります。

駅メモでは新百合うらら(MSE車)とほこね(VSE車)が姉妹の設定となっていますが、
車両デザインの生みの親が同じである事も姉妹設定の理由のひとつかと推測されます。
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また50000系はその内装デザインから
「ドーム状の天井」の意を持つ「Vault(ヴォールト)」という単語を使った
「Vault Super Express」が愛称として付けられ略してVSE車と呼ばれる事となります。


それでは以下で50000系ロマンスカーVSE車の各車両について見ていきたいと思います。

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箱根湯本方の先頭車両となる1号車のデハ50900形です。
デ(電動車)ハ(普通車)が示す通り動力を搭載している車両であり、
50000系VSE車では全車がモーターが搭載車となっています。
編成略記号ではM10cとなりM(動力車)c(制御車)で運転台のある制御電動車となります。
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1号車は車両の中央部付近にご覧の乗降扉がありますが、
この扉は通常時には開閉されず使用できません。
ですのでこの車両に旅客用の乗降口はありません
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新宿方の車端にはこちらの乗務員扉があります。
この扉は車掌の乗務する乗務員室の扉ですのでこちらも一般旅客は使用できません。
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こちらは車内の様子ですが、2号車の箱根湯本方車端の乗降デッキから連結部を越えると
新宿方の1号車端部に乗務員室が左右計2室設けられています。
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客室内の様子です。
1号車客室の新宿方の4席×8列の計32席は通常席となっています。
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客室の中央部付近には先ほどの通常時には使用しない乗降扉があり、
ご覧の様に扉前にはカウンターが設置されています。
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そして箱根湯本方の先頭側の4席×4列の16席は展望席となります。
ロマンスカーを象徴する代名詞ともいうべき展望席からは
列車の前面展望を遮ることなく望むことができます。
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展望席の最前列はご覧の通り前がカウンターとなっており、
フロントガラスには視界を遮る窓枠がありません。


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箱根湯本方の二両目となる2号車のデハ50800形です。
デ(電動車)ハ(普通車)ですのでモーターのある中間電動車となります。
編成略記号はM9でこちらも電動車を意味しています。
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車両の箱根湯本方の車端には乗降扉があります。
1号車の乗降デッキをも兼ねる為、1号車と2号車の境近くに設けられています。
このデッキは2号車側としては乗降スペースのみ設けられています。
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客室内の様子です。
一般席が4席×10列で計40席が設置されています。


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次は箱根湯本方三両目の3号車、デハ50700形です。
デ(電動車)ハ(普通車)の中間電動車で、編成略記号はM8でこちらも電動車の意です。
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この3号車には箱根湯本方と新宿方のそれぞれの車端屋根上にパンタグラフがあり、
計2基のパンタグラフが一両に搭載されています。
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3号車の箱根湯本方はご覧の通り、ガラスパーテションで区切られた
4席1室のサルーン席が3区画設けられています。
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中央にテーブルが設けられた部屋は1区画ごとの販売となっており
グループでの旅行などでの用途が想定された座席となっています。
3号車の座席はこのサルーン席の4席×3区画の計12席のみとなっています。
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車両中央部には乗降扉が設けられていますが
デッキにはカウンタースペースが設けられています。
ショーウインドウのあるカフェカウンターはVSE車内販売の拠点であり、
かつてはシートまでクルーが品物を運ぶシートサービスが行われていました。
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カウンターから箱根湯本方を見るとサルーン席とデッキを仕切るガラス扉があります。
その脇の窓側にはAEDの置かれたパンフレットスペースがあります。
これはかつての喫煙室の跡で、デッキと喫煙室との境にはガラス扉がありました。
2007年(平成19年)に小田急ロマンスカーが全車終日禁煙となったことで
喫煙室も撤去されて現在に至っています。
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乗降扉から新宿方はすぐにガラスの扉となっており、
その中に入るとゆったりトイレと男子小用、女性用のトイレがあり、
連結部付近には洗面台が置かれています。
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こちらは連結部付近の様子です。


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次は箱根湯本方四両目の4号車のデハ50600形となります。
中間電動車でデ(電動車)ハ(普通車)なのは同様で、
編成略記号はM7となりこちらも電動車の意味となります。
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乗降扉と乗降デッキは箱根湯本方の車端部にあります。
4号車として乗り降りのスペースのみとなりますが、
隣の3号車の洗面トイレスペースと繋がっており一体の空間となっています。
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客室内の様子です。4席×10列で計40席となっています。


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こちらは箱根湯本方の五両目、5号車のデハ50500形となります。
同じくデ(電動車)ハ(普通車)となり、
編成略記号ではM6中間電動車となります。
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箱根湯本方にある乗降デッキです。
乗り降りの設備のみとなっています。
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客室内の様子です。
新宿方の車端の左右1席づつがご覧の通り車椅子対応席となっています。
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この車両の座席は合計で36席となります。
基本的に4席×10列の構造ですが、車椅子スペースの分の座席が除かれています。
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車椅子対応席に近い箱根湯本方は客室扉が2枚構造で幅が広く、
新宿方が通常サイズの1枚扉となっています。


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新宿方から五両目にある6号車のデハ50400形です。
この車両も中間電動車を示すデ(電動車)ハ(普通車)で、
編成略記号はM5となり同じく電動車の意味となります。
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こちらが6号車の客室内の様子で、
4席×10列の計40席の車両となります。
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10両編成のVSE車は5号車と6号車の間がちょうど中間点となりますが、
この中間点を境に新宿方車両は新宿方に、箱根湯本方の車両は箱根湯本方に
それぞれ乗降デッキが設置されています。
ですので6号車の乗降デッキは7号車寄りの新宿方に設置されています。


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次は新宿方の四両目、7号車のデハ50300形です。
デ(電動車)ハ(普通車)で編成略記号がM4の中間電動車です。
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7号車の客室内も座席数は4席×10列の計40席となります。
中間車両の客車としてはスタンダードな形状の車両となっています。
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新宿方車端にある7号車乗降デッキです。
7号車部分は乗降の設備のみしかありませんが、
隣の8号車のトイレ洗面部分とつながっていて一体の設備の様に見えます。


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8号車となる新宿方の三両目、デハ50200形です。
編成略記号ではM3の電動車であり、デ(電動車)ハ(普通車)の意味であるのは
他の中間車両と同様です。
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この車両の屋根上には新宿方と箱根湯本方の両端に
それぞれシングルアームのパンタグラフが計2基搭載されています。
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車両の箱根湯本方車端部の様子です。
7号車の乗降デッキと連結部を挟み通じており、
女性用トイレ、男性用トイレ、洗面台と
車椅子対応のゆったりトイレが設置されています。
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トイレ洗面スペースの箱根湯本方にはガラス扉が通路にあり、
扉の反対側となる車両通奥部付近にこの車両の乗降扉があります。
車椅子対応の為ドア幅が他の車両よりも広くなっています。
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乗降デッキと一体となったスペースには
車内サービスのカウンターが置かれています。
そして新宿方にはかつて喫煙室だったパンフレットスペース、
そして客室へのガラス扉があります。
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8号車新宿方の客室スペースの様子です。
ほぼ同様の構造の3号車では個室サルーン席になっていますが
こちらの8号車では通常の座席が計10席置かれています。
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3列のうち箱根湯本方の列は車椅子スペースが作られて
左右1席づつとなっています。


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新宿方二両目の9号車のデハ50100形です。
デ(電動車)ハ(普通車)の中間電動車で編成略記号M2となります。
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こちらも4席×10列の計40席のスタンダードな客車車両となっています。
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新宿方車端の乗降デッキ。


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最後は新宿方の先頭車両となるデハ50000形です。
1号車とならんでロマンスカーVSE車を象徴する流線型の美しい車両です。
デ(電動車)ハ(普通車)で電動車の意味なのは他の車両と同じですが、
編成略記号ではM1cM(電動車)の他にc(制御車)の表記が入っており
運転台のある電動車であることが分かります。
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車両の箱根湯本方の車端の扉は車掌の使う乗務員室のものであり
1号車と同様にこの車両に一般旅客用の乗降扉はありません。
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10号車の車両中央部付近にあるこちらの扉は
客室から外に通じる扉ですが、非常用として一般時は使用していないので
基本的に一般旅客が使用する事はありません。
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こちらは10号車の箱根湯本方の車端部です。
9号車乗降デッキから貫通路で入ると両側に乗務員室があり
ロマンスカーの車掌が乗務しています。
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10号車の客室内の様子です。
箱根湯本方の後ろ半分はご覧の様に通常座席が4席×8列の計32席並んでいます。
こちらは同じ先頭車両の1号車と同様の構造です。
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客室の中央部付近の様子です。
非常用扉の前が乗降デッキのようなスペースとなっており
カウンターが置かれています。
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この非常用扉の上の軒部分にはご覧のブルーリボン賞の標章があります。
50000系VSE車は2006年(平成18年)に鉄道友の会のブルーリボン賞を受賞しており、
VSE車モチーフのでんこの新百合ほこねの髪の青いリボンは
この受賞を示していると言われています。
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そしてこちらが新宿方先頭部の展望座席となります。
ロマンスカーを象徴する前面展望席は
4席×4列の計16席が置かれています。



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小田急50000系ロマンスカーVSE車の各車両については以上となります。
いつ乗っても箱根への乗客であふれている人気の高いロマンスカーは
ぜひとも一度は乗車されることをお勧めします。

では。