宗谷本線c86

さて、引き続き宗谷本線の記事となります。


その1(旭川駅━比布駅)はこちら
その2(比布駅━士別駅)はこちら


宗谷本線b75
こちらは道道850号瑞生下士別線が国道40号線と交わる士別市下士別の交差点で
道道850号は東に向かったこの交差点が終点となります。
宗谷本線b76
国道40号線上から見た交差点付近の光景。
宗谷本線b77
そして交差点から東への道路は道道925号武徳下士別線と名前を変え、
130mほどで宗谷本線の踏切となります。
宗谷本線b78
宗谷本線の42線踏切の南側に隣接して駅があり、
砂利敷きの駅敷地が道道に隣接しています。
宗谷本線b79
こちらが宗谷本線の下士別駅のホームの全景となります。
駅は1955年(昭和30年)に旭川鉄道管理局設定の下士別仮乗降場として設置されたもので
1959年(昭和34年)に駅へと昇格し下士別駅となりました。
隣の士別駅からは北に4.3kmほどの距離にあります。
(註:下士別駅は2021年3月のダイヤ改正で廃止が発表された駅のひとつです。)
宗谷本線b80
東側から見た42線踏切付近。
宗谷本線b81
そして東側から見た下士別駅の全景です。
宗谷本線b82
踏み切り脇の道道に面した駅の広場。
砂利敷きの広場に待合室とトタンの駐輪場があります。
宗谷本線b83
こちらが下士別駅の待合室です。
元は外壁も板張りで作られた待合室だった様ですが
よく見ると鉄板のサイディング材が上貼りされています。
宗谷本線b85
待合室の中の様子です。
壁はペンキが塗られているものの床は板張りで
ベンチや壁も木製ですので恐らく開業以来のものなのでしょう。
宗谷本線b84
待合室の正面を見るとホームに上るスロープがあるのが見えます。
見るとスロープもホームのデッキもPC(プレキャスト・コンクリート)板製であるのが分かります。
宗谷本線b86
ホームの様子です。単式ホーム1面1線の棒線無人駅です。
ホームの有効長はおよそ2両分で、PC板の堅固な造りではありますが
柵や手すりなどはホーム上にはありません。
宗谷本線b87
駅の周辺は田んぼが広がる光景となっており
周辺に障害物の無い景色が広がっています。


宗谷本線b88
こちらは宗谷本線の多寄駅の駅舎の外観です。
駅は1903年(明治36年)に北海道官設鉄道天塩線が士別駅から名寄駅まで
延伸された際に設置されました。
現在の駅舎は1988年(昭和63年)に建て直された簡易駅舎となります。
駅前広場は通路のみ舗装されており、駅前の36線道路に接しています。
宗谷本線b89
こちらは36線道路を西側から駅方面を見た光景です。
かつてはこの通りが駅前通りだったそうで、
線路の手前に大きな木造駅舎があって道路は駅前ロータリーで行き止まりでした。
宗谷本線b90
1999年(平成11年)に駅前通りが線路の反対側へと延長され、
駅舎は南へと移設されてご覧の36線踏切が設けられました。
宗谷本線b91
かつての駅裏だった線路東側はご覧の通り一面の農地が広がっています。
宗谷本線b92
切り返して駅東側から見た光景です。
この踏切の向こう側にかつて立派な木造駅舎がありました。
宗谷本線b93
東側からは駅のホームの全貌を望むことができます。
宗谷本線b95
隣の下士別駅と同様に多寄駅も駅前の踏切から130mの位置に
国道40号線が併走していて交差点があります。
ただ多寄駅はかつての多寄村の中心駅でしたので
駅近くの国道沿いはかつての村の中心街の面影が残っています。
宗谷本線b96
踏切脇の駅前広場はご覧の通り砂利敷きとなっており
駅舎への通路部分のみ舗装がされています。
宗谷本線b98
入口から駅舎の中の様子です。
4人掛けベンチが置かれただけのこじんまりとした待合室となっています。
部屋の中の扉は保線要員の休憩所が設けられているのでその入口です。
宗谷本線b99
ホーム側の出入口の様子です。
トイレは駅舎のホーム側に入口が作られています。
宗谷本線c01
こちらがホームの様子です。
単式ホーム1面1線の棒線無人駅となっています。
ホームは1999年(平成11年)の駅舎移設の際に一緒に作られたものとなります。
宗谷本線c02
ご覧の通りホームからは一面の畑や田んぼがひろがる光景となっています。
宗谷本線c03
かつては駅は2面2線の相対式ホームだったそうで、
現在の踏切を中心とした千鳥配置だったのだそうです。
駅の北西側には農業倉庫がいくつかあって
かつてこの駅が貨物取り扱いをしていた名残と言えます。


宗谷本線c04
こちらは多寄駅から北に2.8kmほど進んだ国道40号線の光景で、
ちょうど31線道路と交わる交差点付近の様子です。
宗谷本線c05
交差点の北側にあるバスの31線停留場。
宗谷本線c06
切り返して北から見た国道の交差点付近です。
宗谷本線c07
この31線道路を国道から東へと進むと130mほどで宗谷本線の踏切となり
その脇に次の駅が設けられています。
宗谷本線c08
宗谷本線の31線踏切。
宗谷本線c09
その踏切の北西側のすぐ脇が駅の広場となります。
宗谷本線c10
こちらが瑞穂駅の駅の全景です。
1956年(昭和31年)に旭川鉄道管理局が設定した瑞穂仮乗降場として開設された駅で
JR北海道となった1987年(昭和62年)に駅へと昇格をしました。
宗谷本線c11
こちらは駅の敷地にある待合室です。
駅の開設当初はホームのみしか無かったそうですが、
1978年(昭和53年)に地元の有志によって待合室と
隣の駐輪場が作られたのだそうです。
宗谷本線c12
待合室の中はご覧の通りベンチが作り置かれた簡素なものです。
宗谷本線c13
ホームは広場東側の線路脇にあり、
南の旭川方にご覧のスロープがあって入口となっています。
宗谷本線c14
こちらがホームの様子です。
単式ホーム1面1線の棒線無人駅となっています。
宗谷本線c15
仮乗降場が出自の駅だけにホームは有効長1両分で木製の
いわゆる朝礼台と呼ばれるタイプのものとなります。
宗谷本線c17
駅から宗谷本線の東側の一帯はパイロットファームの農場となっています。
パイロットファームとは「機械を導入し近代経営の形態をとる先駆的な実験農場」なのだそうで
私が行った時にはドローンで農薬を散布していました。
宗谷本線c18
こちらは31線道路から見た駅東側からの光景です。


宗谷本線c19
瑞穂駅から北に直線でおよそ3.5kmの位置にある
次の駅の風連駅の駅舎の外観です。
1903年(明治36年)に北海道官設鉄道天塩線が名寄駅まで延伸の際に開設された駅で
ご覧の駅舎は1989年(平成元年)に改築されたものです。
宗谷本線c20
駅の西側正面にはご覧の舗装された駅前広場があります。
特に区画などはされていませんがかなりの広さのある広場となっています。
宗谷本線c21
駅前広場から西へと駅正面に伸びる道路は70mほど先で
国道40号線と交わる風連町本町交差点の信号があります。
この国道までの短い区間が道道328号風連停車場線に指定されています。
宗谷本線c22
短い停車場線ですが両脇には風連駐在所と風連国民健康保険診療所といった
町の公共施設が置かれています。
宗谷本線c23
国道側から見た風連停車場線の光景。
宗谷本線c24
入口から駅舎の中へと入るとコンクリート土間の待合室が。
中にはプラスチックのベンチが設置されていました。
宗谷本線c25
そして駅舎の中はガラスで仕切られており、
もうひとつの部屋にもベンチが置かれていました。
こちらの部屋は元々は風連町(当時)が駅舎と合築した展示室だったのだそうです。
とはいっても展示品などは見当たらず、待合室が二つあるに等しい状態ですが。
今は撤去されていますが近年までは青いベンチの部屋には
小上がりのようなベンチも置かれていました。
恐らくは駅寝防止の為防犯上の理由から撤去されたのでしょう。
宗谷本線c27
ホームの様子です。
駅は千鳥式に配置された2面2線のホームとなっています。
宗谷本線c28
一線スルー方式の駅となっており、駅舎のあるこちらの1番線ホームは
特急から退避する普通列車などが使う副本線となっています。
その際風連駅には特急は止まりませんので反対側の番線を通過する事となります。
宗谷本線c29
普通列車は列車交換などが無ければ上下線ともに1番線の副本線に停車します。
ホームの北側の端部には跨線橋の階段があり
反対側のホームへと連絡をしています。
宗谷本線c30
こちらは跨線橋の1番ホーム側の階段入口と中の様子です。
橋はかつて橋梁として使われていたプレートガーターの桁が転用されているもので
屋根が取り付けられています。
宗谷本線c31
跨線橋から見た駅構内の俯瞰です。
一線スルーの線形となっているのが良く分かります。
宗谷本線c33
駅の東側の2番線ホームです。
一線スルーの主本線となっており特急がこちらのホームを通過します。
宗谷本線c34
普通列車の交換の際には列車が入線しますが
通常時はこちらのホームには列車は停車しません。
ですのでホーム上に待合室などは無くホームのみとなっています。
宗谷本線c35
ホーム南端には跨線橋の階段が。
出入口はこちら側のみとなっています。
宗谷本線c36
駅舎の前へと戻り、建物の東隣を見ると階段があるのが見えます。
こちらは宗谷本線の東側と、駅舎や国道のある西側とを連絡する人道跨線橋の入口です。
宗谷本線c37
人道橋はご覧の通り鉄の手すりのみで屋根の無いもので
1番線ホームの上を跨いでいます。
宗谷本線c38
東の出口側の様子です。1965年(昭和40年)に作られた人道橋は
すぐ近くにあった風連高校の生徒が利用するなどされていましたが
高校は2010年(平成22年)に廃校となっています。
宗谷本線c39
人道橋から伸びた通路と接している
風連駅東側の駅裏の市道の様子です。


宗谷本線c40
こちらは道道538号旭名寄線の光景で、
宗谷本線と交わる踏切付近を南側から見た様子となります。
風連駅から北に4.5kmほど進んだこの踏切の脇に宗谷本線の次の駅があります。
宗谷本線c41
第1風連旭名寄線踏切から見た駅方向の光景と
切り返して北側から見た踏み切り付近。
踏切脇に見える民家は一般民家ですが、
1986年(昭和61年)まではこの家が簡易委託で乗車券を販売しており
ホームへの出入り口もこの家の脇を抜けた線路脇の先にありました。
宗谷本線c42
踏切の西側の目の前は三差路となっており、
南の線路沿いの市道を40mほど下ると駅への入口の小さな広場があります。
宗谷本線c43
こちらが東風連駅の入口と待合のプレハブ小屋の光景です。
1956年(昭和31年)に新規の駅として設置されたもので
開設当初からの無人駅でした。
宗谷本線c44
現在のホームは線路の西側にありますが、駅設置当初は反対の東側にホームがありました。
ホームが移設されたのは1999年(平成11年)と比較的新しいため
鉄骨の基礎にPC(プレキャストコンクリート)板のデッキというホームとなっています。
宗谷本線c46
待合室の中はご覧の通りで、木張りの床に木製ベンチが設置された
簡素なものとなっていますがよく手入れがされており中は綺麗でした。
宗谷本線c45
駅の広場は市道とホーム入口との間に砂利を敷いたもので
見ての通りさほどの広さはありません。
宗谷本線c47
広場からホームへと上がる階段。
宗谷本線c48
ホームの様子です。
単式ホーム1面1線の棒線無人駅となります。
宗谷本線c49
駅の周辺はご覧の通り畑が広がる光景で
民家が点在するのみの景色が広がっています。
1999年(平成11年)にホームが移設される前には
線路のちょうど反対側の東側に木製のホームが置かれていました。
宗谷本線c50
ホーム北端の名寄・稚内方の光景です。
宗谷本線c51
駅を出て駅前の市道へと戻ります。
宗谷本線c52
駅側から見た踏切前の三差路付近。
左手は道道538号旭名寄線の名寄市街方面ですが、
1.2kmほど先に名寄高校が道路沿いにあります。
宗谷本線c53
東風連駅のある名寄市では、駅の利用者のほとんどが名寄高校生徒であるという実態から
高校の目の真に駅を移設する計画が具体化しています。
実際に2020年度(令和2年度)に名寄市では予算を計上しており、
早ければ2022年(令和4年)3月には移転が完了する見込みとなっています。


宗谷本線c54
こちらは国道40号線と駅を連絡している道道540号名寄停車場線の
大通南7丁目交差点付近の光景です。
この交差点が駅前ロータリーの入口となっており東側に駅が設けられています。
宗谷本線c55
切り返して北側から見た交差点付近。
道路と接する駅前広場が一望できます。
宗谷本線c56
交差点の東側の駅前ロータリー入口。
ロータリーは右回りの一方通行となっており
交差点に入口と出口が集約されています。
宗谷本線c57
そして交差点側のロータリー入口脇には
歩行者用の広場があり石標が置かれていました。
宗谷本線c59
広場の北側に接して建っている食堂。
宗谷本線c58
ロータリーを進むと奥に駅舎が見えてきます。
宗谷本線c60
こちらが名寄駅の駅舎の外観です。
1903年(明治36年)北海道官設鉄道天塩線の延伸開業によって設置された駅であり、
名寄市の中心駅であり宗谷本線の主要駅でもあることから
機関庫も設置されている駅でした。
宗谷本線c61
現在の駅舎は1927年(昭和2年)に改築された2代目駅舎となります。
屋根は深緑色の駅舎でしたが、2018年(平成30年)にリニューアルされて
現在の小豆色の屋根へと塗り替えられています。
宗谷本線c62
ロータリーの駅舎側の奥にはご覧の広めの車寄せが設けられています。
宗谷本線c63
広場のロータリー中央部には駅の駐車場が設置されています。
宗谷本線c64
そして出口に近いロータリーの南側には
バス停が並んで設置されています。
宗谷本線c65
これはロータリー出口の角に道道に接して「駅前交流プラザ よろ~な」という
公共複合施設が建てられていて、1階が道北バスの案内所が入居して
バスの待合所も設置されている為です。
宗谷本線c66
駅舎に入口へと戻り、風除室を抜けて駅舎の中へと入ります。
駅員の配置されている有人駅であり、自動券売機の他に
有人窓口が設置された改札前のコンコースとなっています。
宗谷本線c67
コンコースの北側にはガラスで仕切られた
ご覧の広めの待合室があります。
奥の自販機の置かれたスペースはかつてKIOSKがありましたが
2016年(平成28年)の末に閉店廃止されています。
宗谷本線c68
そして待合室の片隅には小さな別室があり、
中には名寄駅関連の写真や資料が展示されていました。
宗谷本線c69
こちらは改札付近の光景です。
列車別改札となっており、通常時はチェーンが掛けられています。
宗谷本線c70
ホームの様子です。
駅は単式1面1線と島式1面2線の計2面3線となっており
こちらは駅舎のある単式の1番線ホームの様子です。
宗谷本線c71
ホーム北端の西側にはかつての貨物ヤードの跡が見えます。
コンテナが集積されているのが見えますがこれは名寄オフレールステーション
貨物列車の発着しないトラック輸送でのコンテナ貨物駅となっています。
宗谷本線c72
名寄駅のホームは特に方面別とはなっていませんが
特急列車は基本的にこちらの1番線に上下線とも停車をしています。
宗谷本線c76
階段前にある駅周辺の観光案内。
宗谷本線c73
跨線橋の裏手となるホーム南端側の光景です。
宗谷本線c74
この1番線の南端西側には、かつて名寄駅を終点としていた
深名線が発着していた切り欠きの0番線ホームがありました。
1995年(平成7年)に深名線は廃止されており、線路もご覧の通り現在は撤去されています。
宗谷本線c75
かつては宗谷本線の他に名寄本線と深名線の3線が乗り入れるターミナル駅で
機関区もあり扇形の車庫まである大きな駅でした。
ホーム周辺の広大な空地はかつての引込み線や転車台の跡地です。
宗谷本線c77
こちらは島式ホームと連絡をしている跨線橋の様子です。
宗谷本線c78
跨線橋から見た駅構内の俯瞰。
宗谷本線c79
島式ホーム側の階段出口付近はガラス張りの風除室が設けられており
列車を待つ間に風雪をしのぐ事ができます。
宗谷本線c80
駅の東側の島式ホームの2、3番線ホームです。
特急列車から退避する普通列車や、当駅折り返し始発の上り旭川方面行き列車は
こちらのホームを使用しています。
宗谷本線c81
2、3番線ホームのホーム北端付近の光景。
中央部にはフェンスが立てられています。
宗谷本線c82
3番線の線路から東側にはかなりの空地の向こう側に名寄運転所の建物が見えます。
空地はかつての名寄機関区の引き込み線や転車台などがあった跡地となります。
宗谷本線c83
ホームへの出入り口となる跨線橋の階段はホーム南端側にあります。
その為か普通列車も南よりに停車をしています。
宗谷本線c84
島式ホームの南端付近の光景。



宗谷本線では名寄駅を境目として南北で運転系統が分離されています。
中には旭川から稚内まで直通する普通列車もありますが、
その直通列車も名寄駅で列車番号が変わって運行をしています。
宗谷本線c85
名寄駅から北の宗谷本線についてはJR北海道が
「当社単独では維持する事が困難な線区」としている区間となります。

この名寄駅以北についてはその4以降にて記したいと思います。


では。