でんこの元ネタ
■EX No.46 五葉あこ(Goyo Aco)
■タイプ:トリックスター
■誕生日:7月14日
■出身駅: なし(車両基地はJR東日本川越車両センター(埼玉県川越市))
ACトレインをモチーフとする五葉あこの苗字の「五葉」についてですが
日本で過去現在を見ても「五葉」という駅は存在していません。
ACトレインが5両編成である事など由来ではないか、と思われる事象はあるものの、
公式な発表などはまだ無いので推測の域を出ません。
試験車両であるACトレインは埼京線と川越線の川越電車区(現・川越車両センター)に在籍して
主に埼京線や中央本線で次世代通勤車両の試験走行を行っていました。
ACトレインが川越電車区の所属となったのは2002年(平成14年)1月18日で、
実際に試験走行を開始したのは翌月の2月からでした。
現在(註:2021年)では川越車両センターには多目的試験車の「MUE-Train」が所属しています。
同じ試験車両のACトレイン(ac@train)はいわばMUE-Trainの先代にあたる訳で
駅メモの設定でMUE-Trainモチーフの雲谷みゅうとコンビの様に設定されているのも
こうした状況からであろうと思われます。
■モデル車両: JR東日本E993系電車「ac@train」
JR東日本E993系電車は2002年(平成14年)1月に作られた試験用電車です。
「E993系」の十の位の「9」は試験車両を表わす数字ですので
形式番号からもこの電車が試験車である事が分かります。
5両編成で新造されたE993系は「Advanced Commuter (進化した通勤列車)」から
「ACトレイン(ac@train)」の愛称がつけられています。
駅メモのエクストラでんこの「五葉あこ」の「あこ」という名前についてですが、
この「ac@train」の「アドバンスド コミューター」が元ではないかと推測されます。
「あこ」の駅メモでのローマ字表記が「Aco」となっているのがその裏づけと言えるでしょう。
車体は1、2号車がアルミ車体、3号車から5号車がステンレス車体で
ベースは素材の銀色となっていますが、帯色にはJR東日本のコーポレートカラーである
緑色( )が用いられています。
車体にはご覧の目玉のようなロゴマークが付けられています。
このロゴは「21世紀を見通す目」をモチーフとして作られたのだそうです。
当初は山手線の新造車両に対しての技術導入の為の研究試験が目的でしたが、
2002年(平成14年)1月より山手線ではE231系500番台が置き換えで投入されており、
ACトレインも中央線快速や埼京線に投入する車両へと研究対象をシフトしていきます。
ACトレインの開発にあたってJR東日本では
「システムチェンジ」と「IT(Information Technology)の活用」の2つを柱としました。
「システムチェンジ」では連接台車の採用による台車数削減による重量とコストの削減、
混雑緩和の為の車内空間拡大の為のダブルスキン構造や外吊りドアの採用、
効率を高めるた「直接駆動電動機(DDM)」の採用などがあり、
また「ITの活用」ではネットワークを活用した車内システムの自立分散化と
バックアップ機能による輸送の安定性向上、車両制御情報システムの導入、
車内の情報サービスに必要な環境の整備などが掲げられています。
「連接台車」とは車体間に設置して2つの車体を支える台車の事で、
個々の車両に台車を設置するよりも台車数を減らせて編成の軽量化が図れ、
かつ車体の揺れを抑えられ高速走行に向くというメリットがあります。
また電車のメイン装置とも言えるモーターには
DDM(Direct Drive Motor:直接駆動式モーター)が採用されています。
これは車軸に直接モーターを取り付ける方式のもので
動力の伝達ロスを無くし騒音の軽減も図れるというものです。
このzZACトレインのDDMは2003年(平成15年)には一般的な電車のモーター構造である
カルダン方式に改造されています。
編成は川越方から1号車、2号車・・・5号車の順となります。
前の2両はアルミ車体となっています。
ACトレインでは1号車と2号車はアルミ合金ダブルスキン構造、
3号車と5号車はレーザー溶接によるステンレスのダブルスキン構造、
そして4号車はステンレスのシングルスキン構造と
外装の材質や構造を変えたものを用いて試験が行われています。
ダブルススキン構造とはいわばダンボールのような構造で強度を保ち
軽量化を図ったもので、車体はご覧の通りパネルを組み合わせた工法で作り
コスト低減を狙っていたようです。
客室内の1号車と2号車の連接部の様子です。
この部分の貫通路はバリアフリーの試験の一環として
幅1800mmとかなり広めに作られています。
連接台車が真下にある場所なので床は連接部独特の半円形となっています。
車両の乗降扉にはac@trainでは戸袋が無く外吊扉となっています。
外吊とすることで混雑緩和の為に車内客室の幅を広く取る事ができる為なのだそうです。
また扉の内側には床の端部やてすり、ドアの端などを
注意を喚起する黄色で塗る事や、滑り止めの素材を使用するなど
「ユニバーサルデザイン」を意識したものとなっています。
こちらは新宿方となる3号車から5号車の車両の図面です。
後半の3両はステンレス車体の車両となっています。
4号車のサハE993-1は2扉車となっていますが
川越方の扉にはご覧の車椅子ステップがついていました。
このステップはドア開閉に連動して作動してホームと車体の隙間を埋めるもので
車椅子などのほか老人や子供の転落をも防ぐ効果があるそうです。
また4号車の川越方の半分は特急を想定したクロスシートが12席設置されています。
座席は「インターネット対応座席」として専用の端末が置かれ
車両にはwi-fiのアクセスポイントが設けられています。
コンセントも設けられており移動中にパソコンなどの端末の使用できる環境が作られています。
そして4号車新宿方の乗降扉には車椅子用スロープが設置されています。
こちらはボタン操作によってスロープが出る仕掛けとなっていて
ホームと車体との段差を解消し車椅子などの乗降を補助するものです。
新宿方の先頭車両となる5号車のクハE993-1では
川越方は半分の車内にご覧の通り液晶パネルやLED表示機がいくつも設置されて
設置環境などの試験が行われていました。
現在の通勤形車両では当たり前となっている液晶画面での案内も
ACトレインでの試験を経たものだったという訳です。
製造からおよそ4年という短い期間を試験走行に費やしたACトレインは
その役割を終え郡山車両センターへと廃車回送。
2006年(平成18年)7月14日に廃車となっています。
ACトレインをモチーフとしている駅メモのでんこの
五葉あこの誕生日が7月14日に設定されていますが
これはACトレインの廃車日を由来としているものと思われます。
その後ACトレインは郡山車両センターで7月22日に最後の一般公開を行った後、
同センターで9月下旬に解体されています。
参考
JR東日本 プレスリリース「ACトレイン試験走行の実施について」
https://www.jreast.co.jp/press/2001_2/20020111/index.html
JR東日本 プレスリリース「ACトレイン試験車の製作について」
https://www.jreast.co.jp/press/2000_2/20001202/index.html
■EX No.46 五葉あこ(Goyo Aco)
■タイプ:トリックスター
■誕生日:7月14日
■出身駅: なし(車両基地はJR東日本川越車両センター(埼玉県川越市))
ACトレインをモチーフとする五葉あこの苗字の「五葉」についてですが
日本で過去現在を見ても「五葉」という駅は存在していません。
ACトレインが5両編成である事など由来ではないか、と思われる事象はあるものの、
公式な発表などはまだ無いので推測の域を出ません。
試験車両であるACトレインは埼京線と川越線の川越電車区(現・川越車両センター)に在籍して
主に埼京線や中央本線で次世代通勤車両の試験走行を行っていました。
ACトレインが川越電車区の所属となったのは2002年(平成14年)1月18日で、
実際に試験走行を開始したのは翌月の2月からでした。
現在(註:2021年)では川越車両センターには多目的試験車の「MUE-Train」が所属しています。
同じ試験車両のACトレイン(ac@train)はいわばMUE-Trainの先代にあたる訳で
駅メモの設定でMUE-Trainモチーフの雲谷みゅうとコンビの様に設定されているのも
こうした状況からであろうと思われます。
■モデル車両: JR東日本E993系電車「ac@train」
JR東日本E993系電車は2002年(平成14年)1月に作られた試験用電車です。
「E993系」の十の位の「9」は試験車両を表わす数字ですので
形式番号からもこの電車が試験車である事が分かります。
5両編成で新造されたE993系は「Advanced Commuter (進化した通勤列車)」から
「ACトレイン(ac@train)」の愛称がつけられています。
駅メモのエクストラでんこの「五葉あこ」の「あこ」という名前についてですが、
この「ac@train」の「アドバンスド コミューター」が元ではないかと推測されます。
「あこ」の駅メモでのローマ字表記が「Aco」となっているのがその裏づけと言えるでしょう。
車体は1、2号車がアルミ車体、3号車から5号車がステンレス車体で
ベースは素材の銀色となっていますが、帯色にはJR東日本のコーポレートカラーである
緑色( )が用いられています。
車体にはご覧の目玉のようなロゴマークが付けられています。
このロゴは「21世紀を見通す目」をモチーフとして作られたのだそうです。
当初は山手線の新造車両に対しての技術導入の為の研究試験が目的でしたが、
2002年(平成14年)1月より山手線ではE231系500番台が置き換えで投入されており、
ACトレインも中央線快速や埼京線に投入する車両へと研究対象をシフトしていきます。
ACトレインの開発にあたってJR東日本では
「システムチェンジ」と「IT(Information Technology)の活用」の2つを柱としました。
「システムチェンジ」では連接台車の採用による台車数削減による重量とコストの削減、
混雑緩和の為の車内空間拡大の為のダブルスキン構造や外吊りドアの採用、
効率を高めるた「直接駆動電動機(DDM)」の採用などがあり、
また「ITの活用」ではネットワークを活用した車内システムの自立分散化と
バックアップ機能による輸送の安定性向上、車両制御情報システムの導入、
車内の情報サービスに必要な環境の整備などが掲げられています。
「連接台車」とは車体間に設置して2つの車体を支える台車の事で、
個々の車両に台車を設置するよりも台車数を減らせて編成の軽量化が図れ、
かつ車体の揺れを抑えられ高速走行に向くというメリットがあります。
また電車のメイン装置とも言えるモーターには
DDM(Direct Drive Motor:直接駆動式モーター)が採用されています。
これは車軸に直接モーターを取り付ける方式のもので
動力の伝達ロスを無くし騒音の軽減も図れるというものです。
このzZACトレインのDDMは2003年(平成15年)には一般的な電車のモーター構造である
カルダン方式に改造されています。
編成は川越方から1号車、2号車・・・5号車の順となります。
前の2両はアルミ車体となっています。
ACトレインでは1号車と2号車はアルミ合金ダブルスキン構造、
3号車と5号車はレーザー溶接によるステンレスのダブルスキン構造、
そして4号車はステンレスのシングルスキン構造と
外装の材質や構造を変えたものを用いて試験が行われています。
ダブルススキン構造とはいわばダンボールのような構造で強度を保ち
軽量化を図ったもので、車体はご覧の通りパネルを組み合わせた工法で作り
コスト低減を狙っていたようです。
客室内の1号車と2号車の連接部の様子です。
この部分の貫通路はバリアフリーの試験の一環として
幅1800mmとかなり広めに作られています。
連接台車が真下にある場所なので床は連接部独特の半円形となっています。
車両の乗降扉にはac@trainでは戸袋が無く外吊扉となっています。
外吊とすることで混雑緩和の為に車内客室の幅を広く取る事ができる為なのだそうです。
また扉の内側には床の端部やてすり、ドアの端などを
注意を喚起する黄色で塗る事や、滑り止めの素材を使用するなど
「ユニバーサルデザイン」を意識したものとなっています。
こちらは新宿方となる3号車から5号車の車両の図面です。
後半の3両はステンレス車体の車両となっています。
4号車のサハE993-1は2扉車となっていますが
川越方の扉にはご覧の車椅子ステップがついていました。
このステップはドア開閉に連動して作動してホームと車体の隙間を埋めるもので
車椅子などのほか老人や子供の転落をも防ぐ効果があるそうです。
また4号車の川越方の半分は特急を想定したクロスシートが12席設置されています。
座席は「インターネット対応座席」として専用の端末が置かれ
車両にはwi-fiのアクセスポイントが設けられています。
コンセントも設けられており移動中にパソコンなどの端末の使用できる環境が作られています。
そして4号車新宿方の乗降扉には車椅子用スロープが設置されています。
こちらはボタン操作によってスロープが出る仕掛けとなっていて
ホームと車体との段差を解消し車椅子などの乗降を補助するものです。
新宿方の先頭車両となる5号車のクハE993-1では
川越方は半分の車内にご覧の通り液晶パネルやLED表示機がいくつも設置されて
設置環境などの試験が行われていました。
現在の通勤形車両では当たり前となっている液晶画面での案内も
ACトレインでの試験を経たものだったという訳です。
製造からおよそ4年という短い期間を試験走行に費やしたACトレインは
その役割を終え郡山車両センターへと廃車回送。
2006年(平成18年)7月14日に廃車となっています。
ACトレインをモチーフとしている駅メモのでんこの
五葉あこの誕生日が7月14日に設定されていますが
これはACトレインの廃車日を由来としているものと思われます。
その後ACトレインは郡山車両センターで7月22日に最後の一般公開を行った後、
同センターで9月下旬に解体されています。
参考
JR東日本 プレスリリース「ACトレイン試験走行の実施について」
https://www.jreast.co.jp/press/2001_2/20020111/index.html
JR東日本 プレスリリース「ACトレイン試験車の製作について」
https://www.jreast.co.jp/press/2000_2/20001202/index.html
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