でんこの元ネタ
■EX No.03 波篠すすぐ(Namishino Susugu)
■タイプ:トリックスター
■誕生日:3月5日
■出身駅: なし(車両は広島新幹線電気区に所属)
日本の現在及び過去において「波篠」という駅が存在した事はありません。
ですので駅や鉄道施設の名称から取られた名前では無いという事となります。
「波」が水に関する言葉であることは説明するまでも無いでしょう。
風などでうねる水の様子を指す言葉で「波浪」「波濤」といった言葉もあります。
「篠」という言葉は細く群がって生える根笹の一種の篠竹を意味します。
この篠竹をモチーフとして、まるで篠竹の様な激しく多量の雨の振る様子を
「篠を束ねる」「篠を突く」と言います。
こうして並べてみると、「波」も「篠」も激しい水の様子を表わす言葉である事が分かります。
波篠すすぐのモチーフとされるスラブ洗浄車は高圧の水を噴霧して
新幹線のスラブ軌道を洗浄する高圧洗浄を行う車両です。
この高圧の水のイメージから連想される「波」と「篠」という文字を使って
「波篠」という苗字としたのでは無いか、と推測されます。
こちらはJR西日本の博多総合車両所広島支所の正門の様子です。
山陽新幹線の3つある車両基地で一番東に位置する基地であり、
広島駅からおよそ2.5kmほど北東に位置している車両基地には
新幹線の営業車両の他に車両検査を行う検査棟などもあり
構内には新幹線保線作業用の保線車両も留置されているのが見えます。
この車両基地の北端に近い付近にご覧の通り
HTM350SWスラブ洗浄車も留置されている姿を見る事ができます。
こちらはJR西日本の芸備線の矢賀駅の駅舎外観です。
隣は広島駅であり北東に2.2kmほどの距離にあります。
この矢賀駅に隣接した南側にはご覧の矢賀踏切があります。
西側の2線はJR芸備線の在来線線路です。
芸備線の線路のすぐ東側には併走して高架線がありますが、
この高架線が博多総合車両所広島支所の車両基地へと通じる新幹線の側線です。
広島駅の東側のちょうどマツダスタジアムの北付近で分岐して
芸備線と併走して車両基地へと通じています。
こちらは矢賀駅の駅構内の様子ですが、
ご覧の通り駅ホームの東側に隣接して新幹線の高架線が併走しています。
駅ホームから東側の新幹線高架の向こう側を覗くと地上に車止めが見えます。
この線路は新幹線車両基地の留置線の一つです。
ちょうど矢賀駅付近が車両基地の最南端にあたる為、
ときおりローカル駅のホームから新幹線を間近で見る事ができます。
矢賀駅から芸備線の線路の西側を併走する道路を北上すると
ご覧の通り徐々に地上へと降りてくる新幹線高架線を見る事ができます。
駅から500mほどで工場宿舎踏切という踏切に差し掛かりますが
この踏切から北側付近に、我々が新幹線車両基地だと認識できる光景が広がっています。
工場宿舎踏切のすぐ北側の脇には跨線橋の階段があり、
博多総合車両所広島支所の真ん中を跨ぐ跨線橋へと上がる事ができます。
跨線橋の上からはご覧の通り車両基地内が一望できます。
エクストラでんこの波篠すすぐのいわゆる「実家駅」は現在のところ設定されていませんが、
車両留置場所の博多総合車両所広島支所の南端にある
この矢賀駅が一番近い駅である事は間違い無いでしょう。
■モデル車両: JR西日本 新幹線スラブ洗浄車(NICHIJO HTM350SW)
日本の鉄道では現在ATC(自動列車制御装置:Automatic Train Control)
という装置が用いられています。これは運転士に最高速度をリアルタイムで現示して、
列車が制限速度を超えた場合に自動的にブレーキをかけて速度を落とすというシステムです。
地上の信号機による信号確認が困難であると想定される場所に用いられるシステムであり、
高速運転で地上信号機では見落とす可能性の高い新幹線をはじめ、
地下鉄や長大なトンネル区間のある線区、都市部などのダイヤの緻密な
稠密線区などで仕様されています。
日本で最初にATCが実用化されたのは1961年(昭和36年)の営団地下鉄日比谷線ですが、
車内信号方式というATCの標準的な仕様を確立したのは
1964年(昭和39年)に開業の東海道新幹線となります。
ATCの基本的なシステムとしては、レールにATC信号の電流を流し
変化を列車車上のATC受信機で受信する事で速度や列車位置などを判別するもので、
その為に鉄道のレールは電気的に接続されてATCの回路となっています。
一方でATCが用いられるトンネル内などは当然ながら雨が降ってもレールが濡れません。
すると埃や塵などの汚れが雨で洗い流されるという事が無いので
トンネル内では非常に埃や汚れが溜まり易いという状況になります。
鉄道は鉄のレールの上を鉄輪が走るので当然削れた金属粉なども発生します。
泥や埃などと混ざった粉塵などは線路に電流を流すATCの回路にとって
電流を妨害する要因でありATC信号レベルの低下を招くという結果となります。
また場合によっては汚れで軌道の回路がショートする事もあり故障の原因ともなります。
こうした状況がある中で開発されたのがスラブ洗浄車であり、
新幹線のトンネル内のレールを止めている金具部分の汚れを洗浄することで
ATC信号レベルの低下や短絡を防止しています。
こちらは2017年(平成29年)のJR西日本での主な保守用車や事業用車の保有台数の表です。
表を見るとスラブ洗浄車の保有台数は1台である事が分かります。
ですので広島にある1台がJR西日本のスラブ洗浄車の全てであるという事です。
このJR西日本のスラブ洗浄車はNICHIJO(旧・日本除雪機製作所)のHTM350SWという車両です。
鉄道車両ではなく軌道モーターカーに分類される車両であり法規上は機械扱いとなります。
ですので実際に線路上で洗浄作業を行う際には
正規の列車が入れないようにする「線路閉鎖」を行う必要があります。
HTM350SWの車体にはご覧の通り「広島新幹線電気区」の文字が書かれています。
文字通り広島地区の新幹線の電気設備を管理保守する部門であり、
信号通信に関わるスラブ洗浄作業を行う機械のHTM350SWも
この広島新幹線電気区の所属となっています。
JR西日本の山陽新幹線では博多、岡山、広島の三ヶ所に車両基地がありますが
広島電気区所属のHTM350SWは、広島駅の北東に位置する
博多総合車両所広島支所の車両基地内に日中は留置されています。
車両は2009年(平成21年)6月に製造されており、
JR西日本の保線車両で用いられるエメラルドグリーン( )で塗られています。
車体の手すりや梯子などは黄色( )となっています。
その車体の下部を見るとローラーブラシやタンクが見えます。
作業時にはタンクからの水を噴霧して高圧洗浄を行い
回転するローラーブラシを当てる事で洗浄を行っています。
駅メモのエクストラでんこの波篠すすぐはHTM350SWスラブ洗浄車がモチーフとなります。
衣装はエメラルドグリーンを基調に黄色があしらわれており実車と同じカラーリングです。
髪や腕に青が使われているのは車体のJRロゴにも使われている
JR西日本のコーポレートカラーの青( )がモチーフかと思われます。
また波篠すすぐ誕生日が3月5日に設定されているのは
形式名称のHTM350SWから取られていると考えられています。
駅メモではしばしば製造日や営業開始日が不明な車両モチーフのでんこの誕生日を
形式名称の番号から取る例が見られることからこれに倣ったものと思われます。
このHTM350SWスラブ洗浄車を作ったNICHIJOは
元々は北海道の留萠鉄道の子会社として1962年(昭和37年)に作られた
日本除雪機製作所という会社でした。
名前の通り日本の鉄道用ロータリー除雪車開発の先駆けであり
国鉄の除雪車開発にも影響を与えたという企業です。
近年では駅メモラーにはある意味おなじみのDMV(デュアル・モード・ビークル)車両を
2004年(平成16年)にJR北海道との共同開発で製作しています。
【写真撮影:2021年10月】
■EX No.03 波篠すすぐ(Namishino Susugu)
■タイプ:トリックスター
■誕生日:3月5日
■出身駅: なし(車両は広島新幹線電気区に所属)
日本の現在及び過去において「波篠」という駅が存在した事はありません。
ですので駅や鉄道施設の名称から取られた名前では無いという事となります。
「波」が水に関する言葉であることは説明するまでも無いでしょう。
風などでうねる水の様子を指す言葉で「波浪」「波濤」といった言葉もあります。
「篠」という言葉は細く群がって生える根笹の一種の篠竹を意味します。
この篠竹をモチーフとして、まるで篠竹の様な激しく多量の雨の振る様子を
「篠を束ねる」「篠を突く」と言います。
こうして並べてみると、「波」も「篠」も激しい水の様子を表わす言葉である事が分かります。
波篠すすぐのモチーフとされるスラブ洗浄車は高圧の水を噴霧して
新幹線のスラブ軌道を洗浄する高圧洗浄を行う車両です。
この高圧の水のイメージから連想される「波」と「篠」という文字を使って
「波篠」という苗字としたのでは無いか、と推測されます。
こちらはJR西日本の博多総合車両所広島支所の正門の様子です。
山陽新幹線の3つある車両基地で一番東に位置する基地であり、
広島駅からおよそ2.5kmほど北東に位置している車両基地には
新幹線の営業車両の他に車両検査を行う検査棟などもあり
構内には新幹線保線作業用の保線車両も留置されているのが見えます。
この車両基地の北端に近い付近にご覧の通り
HTM350SWスラブ洗浄車も留置されている姿を見る事ができます。
こちらはJR西日本の芸備線の矢賀駅の駅舎外観です。
隣は広島駅であり北東に2.2kmほどの距離にあります。
この矢賀駅に隣接した南側にはご覧の矢賀踏切があります。
西側の2線はJR芸備線の在来線線路です。
芸備線の線路のすぐ東側には併走して高架線がありますが、
この高架線が博多総合車両所広島支所の車両基地へと通じる新幹線の側線です。
広島駅の東側のちょうどマツダスタジアムの北付近で分岐して
芸備線と併走して車両基地へと通じています。
こちらは矢賀駅の駅構内の様子ですが、
ご覧の通り駅ホームの東側に隣接して新幹線の高架線が併走しています。
駅ホームから東側の新幹線高架の向こう側を覗くと地上に車止めが見えます。
この線路は新幹線車両基地の留置線の一つです。
ちょうど矢賀駅付近が車両基地の最南端にあたる為、
ときおりローカル駅のホームから新幹線を間近で見る事ができます。
矢賀駅から芸備線の線路の西側を併走する道路を北上すると
ご覧の通り徐々に地上へと降りてくる新幹線高架線を見る事ができます。
駅から500mほどで工場宿舎踏切という踏切に差し掛かりますが
この踏切から北側付近に、我々が新幹線車両基地だと認識できる光景が広がっています。
工場宿舎踏切のすぐ北側の脇には跨線橋の階段があり、
博多総合車両所広島支所の真ん中を跨ぐ跨線橋へと上がる事ができます。
跨線橋の上からはご覧の通り車両基地内が一望できます。
エクストラでんこの波篠すすぐのいわゆる「実家駅」は現在のところ設定されていませんが、
車両留置場所の博多総合車両所広島支所の南端にある
この矢賀駅が一番近い駅である事は間違い無いでしょう。
■モデル車両: JR西日本 新幹線スラブ洗浄車(NICHIJO HTM350SW)
日本の鉄道では現在ATC(自動列車制御装置:Automatic Train Control)
という装置が用いられています。これは運転士に最高速度をリアルタイムで現示して、
列車が制限速度を超えた場合に自動的にブレーキをかけて速度を落とすというシステムです。
地上の信号機による信号確認が困難であると想定される場所に用いられるシステムであり、
高速運転で地上信号機では見落とす可能性の高い新幹線をはじめ、
地下鉄や長大なトンネル区間のある線区、都市部などのダイヤの緻密な
稠密線区などで仕様されています。
日本で最初にATCが実用化されたのは1961年(昭和36年)の営団地下鉄日比谷線ですが、
車内信号方式というATCの標準的な仕様を確立したのは
1964年(昭和39年)に開業の東海道新幹線となります。
ATCの基本的なシステムとしては、レールにATC信号の電流を流し
変化を列車車上のATC受信機で受信する事で速度や列車位置などを判別するもので、
その為に鉄道のレールは電気的に接続されてATCの回路となっています。
一方でATCが用いられるトンネル内などは当然ながら雨が降ってもレールが濡れません。
すると埃や塵などの汚れが雨で洗い流されるという事が無いので
トンネル内では非常に埃や汚れが溜まり易いという状況になります。
鉄道は鉄のレールの上を鉄輪が走るので当然削れた金属粉なども発生します。
泥や埃などと混ざった粉塵などは線路に電流を流すATCの回路にとって
電流を妨害する要因でありATC信号レベルの低下を招くという結果となります。
また場合によっては汚れで軌道の回路がショートする事もあり故障の原因ともなります。
こうした状況がある中で開発されたのがスラブ洗浄車であり、
新幹線のトンネル内のレールを止めている金具部分の汚れを洗浄することで
ATC信号レベルの低下や短絡を防止しています。
こちらは2017年(平成29年)のJR西日本での主な保守用車や事業用車の保有台数の表です。
表を見るとスラブ洗浄車の保有台数は1台である事が分かります。
ですので広島にある1台がJR西日本のスラブ洗浄車の全てであるという事です。
このJR西日本のスラブ洗浄車はNICHIJO(旧・日本除雪機製作所)のHTM350SWという車両です。
鉄道車両ではなく軌道モーターカーに分類される車両であり法規上は機械扱いとなります。
ですので実際に線路上で洗浄作業を行う際には
正規の列車が入れないようにする「線路閉鎖」を行う必要があります。
HTM350SWの車体にはご覧の通り「広島新幹線電気区」の文字が書かれています。
文字通り広島地区の新幹線の電気設備を管理保守する部門であり、
信号通信に関わるスラブ洗浄作業を行う機械のHTM350SWも
この広島新幹線電気区の所属となっています。
JR西日本の山陽新幹線では博多、岡山、広島の三ヶ所に車両基地がありますが
広島電気区所属のHTM350SWは、広島駅の北東に位置する
博多総合車両所広島支所の車両基地内に日中は留置されています。
車両は2009年(平成21年)6月に製造されており、
JR西日本の保線車両で用いられるエメラルドグリーン( )で塗られています。
車体の手すりや梯子などは黄色( )となっています。
その車体の下部を見るとローラーブラシやタンクが見えます。
作業時にはタンクからの水を噴霧して高圧洗浄を行い
回転するローラーブラシを当てる事で洗浄を行っています。
駅メモのエクストラでんこの波篠すすぐはHTM350SWスラブ洗浄車がモチーフとなります。
衣装はエメラルドグリーンを基調に黄色があしらわれており実車と同じカラーリングです。
髪や腕に青が使われているのは車体のJRロゴにも使われている
JR西日本のコーポレートカラーの青( )がモチーフかと思われます。
また波篠すすぐ誕生日が3月5日に設定されているのは
形式名称のHTM350SWから取られていると考えられています。
駅メモではしばしば製造日や営業開始日が不明な車両モチーフのでんこの誕生日を
形式名称の番号から取る例が見られることからこれに倣ったものと思われます。
このHTM350SWスラブ洗浄車を作ったNICHIJOは
元々は北海道の留萠鉄道の子会社として1962年(昭和37年)に作られた
日本除雪機製作所という会社でした。
名前の通り日本の鉄道用ロータリー除雪車開発の先駆けであり
国鉄の除雪車開発にも影響を与えたという企業です。
近年では駅メモラーにはある意味おなじみのDMV(デュアル・モード・ビークル)車両を
2004年(平成16年)にJR北海道との共同開発で製作しています。
【写真撮影:2021年10月】