
さて、越美北線(九頭竜線)の続きです。
前半は福井市内の駅を紹介しましたが、
こちらの後半は大野市内の駅を巡りたいと思います。
その1(福井駅━計石駅)はこちら。

福井市内を走ってきた九頭竜線はしばらく川と国道に沿って進んできましたが
大野市に入るとそれぞれが逸れていき、
九頭竜線は田んぼの広がる中を直進する事となります。
こちらは国道158号線から300mほど北に、
駅との連絡路となる市道です。

踏切の手前の道路脇に設けられた
駅の駐車スペースと駐輪場。
この先が牛ケ原駅となります。
駅は1960年(昭和35年)の九頭竜線の開通に伴って設置されたものです。

その先の踏切の脇に、駅への入口となる通路があります。

踏切脇のホームへの連絡通路。

こちらがホームの様子です。
単式ホーム1面1線の棒線無人駅となります。

ホーム上の待合室の様子です。

駅周辺はご覧の通りの水田地帯で、
ホーム前の看板を見るとどうやら農業もモデル開発地区のようです。

駅の出口側の光景です。

こちらは牛ヶ原駅から九頭竜線が2kmほど直進したところにある
駅利用者の為に設置された大野市の無料市営駐車場です。

駐車場の目の前が駅前の広場となっており
ご覧の北大野駅があります。
この駅は九頭竜線の開通時にはありませんでしたが、
大野市の中心市街地の端にあたるこの地に
1968年(昭和43年)に新しく作られました。

駅から見た市街地から駅への、駅前の通りです。

ホームの様子です。
この駅も単式ホーム1面1線の棒線無人駅です。

ホーム上の待合室は大きめでした。

駅前の広場の様子です。

北大野駅を出ると九頭竜線は南に向かってカーブを描き、
大野市の市街地の中心部へと向かいます。
2kmほど南下したこちらが越前大野駅となります。

駅の眼前には国道476号線が走っており、
駅前ロータリーと接しています。

ロータリーは2011年(平成23年)に改修され整備されました。
中央部には駐車スペースも設けられ雪んこの石造も設置されています。

広場の一角にある「清水(しょうず)」。
越前大野は名水の町の至るところに湧水の井があるそうです。

そして清水の後ろを見ると、
駅構内のフェンス際に腕木式信号が残されていました。

こちらが越前大野駅の駅舎です。
1960年(昭和35年)の九頭竜線開業時に開設された駅で、
九頭竜線では唯一の社員設置の有人駅となっています。
駅舎はコンクリート造りですが、2003年(平成15年)に木質化工事が行われて
内装と外装に地元の木材が用いられた現在の姿となっています。

駅舎外側の軒内の様子。

駅車内の待ち合わせや改札付近の様子です。

駅構内側から見た駅舎。
内側から見ると昔ながらのコンクリート造りであることが分かります。

駅舎とホームは構内踏切で連絡しているのですが、
踏切のホーム側にご覧の「安全の鐘」があります。
これは「列車の安全運行と利用者の安全を祈願」して
2002年(平成14年)に設けられたものだそうです。
鐘の傍らには古い柱用の駅名標が。

ホームの様子です。
島式ホーム1面2線があり、他にホームの無い側線がある駅です。
1番のりばが上り本線、2番のりばが下り本線」となっていますが、
実際の列車運行ではそのほとんどが2番線で発着をしています。

1番線で発着をする列車は19時台の1本のみとなっているらしく、
こちらはその貴重な1番線停車中の九頭竜線列車です。
九頭竜線で列車交換の出来る駅は現在では美山駅と
この越前大野駅だけであり、この駅を出た列車は終点の九頭竜湖駅まで
1閉塞なので行って帰ってくるしかありません。

越前大野駅から3kmほど離れたこの場所は、
田んぼの中を九頭竜線が直進で進み県道170号線と交わった場所です。

このまるで農道のような県道と九頭竜線の交わった踏切の脇にあるのが
越前田野駅となります。
九頭竜線開通の4年後の1964年(昭和39年)に新たに新設された駅となります。
駅名の元の田野の集落は駅から少し離れた南に位置しています。

こちらがホームの様子です。
単式1面1線の棒線無人駅です。

そして周辺が田んぼのみで何も無いこの駅の目の前に、
唯一ある施設がこちらの墓地です。
恐らくはこの集落の共同墓地だと思われます。
地図で線形などを見ても、この駅前後の九頭竜線は直線となっています。
恐らくは土地収用の障害とならない、郊外の何も無い田んぼのど真ん中を
鉄道を通した、ということが容易に推測できます。

こちらは県道26号線から県道171号線が分岐する付近で、
越前田野駅からは1.5kmほどの場所です。

ご覧の市道の並びには、富田公民館、そして富田小学校が並んでいます。

そして市道の公民館や小学校と反対方向の、ご覧の路地を入ると
その奥は県道171号線の高架下となっています。

道の奥の高架下はご覧の様に橋脚にペイントが施されています。

実は高架下は駅前広場であり、
高架を抜けた奥が越前富田駅の入口となっています。

ホームの様子。
単式ホーム1面1線の棒線無人駅です。
1960年(昭和35年)の九頭竜線開業で開設されています。

ホーム上の待合室の様子です。

越前富田駅を出た九頭竜線は、
その名の由来でもある九頭竜川の手前で右に大きくカーブを描きます。
以後九頭竜線は九頭竜川と並走して進むのですが、
こちらは県道239号線が九頭竜川を渡った付近の光景です。

この県道が九頭竜線と交わったところに踏切があるのですが、
踏切脇に下唯野駅の入口があります。
この駅も1960年(昭和35年)の九頭竜線開業に併せて開設されました。

こちらが駅のホームの様子です。
単式ホーム1面1線の棒線無人駅です。

ホームの全景。

そして下唯野駅から国道158号線と九頭竜線が並走するも、
九頭竜線はすぐに九頭竜川を渡って国道とは対岸へと移ります。
その川を渡ったすぐの場所にあるのがご覧の柿ヶ島駅となります。

こちらは九頭竜川沿いの市道ですが、
この道が県道から駅へと通じる道となります。

ほとんど農道とも言えるこの道を南東に進むと
九頭竜線に突き当たりますが、線路に沿って右手へと道を入ると
駅への連絡路となっています。

坂を登り切った突き当たりが駅の入口となります。

こちらが駅のホームです。
単式1面1線の棒線無人駅となっています。
この駅も1960年(昭和35年)の九頭竜線開業時にできた駅です。

ホームの待合室の様子。

この駅はホームの西側すぐに九頭竜川が流れており、
川に架かる第一九頭竜川橋梁がご覧のとおり眼前に見えます。

こちらは柿ヶ島駅━勝原駅間のトンネルの配置図です。
山間のイメージの強い九頭竜線ですが、
実質的に駅間でトンネルらしいトンネルを通るのは
この区間がはじめてと言っても良いでしょう。
勝原駅寄りの区間はほぼトンネルなので勝原駅へのアクセスはできませんが、
鈍行の気動車の路線ですので勝原駅停車時を狙えば十分にアクセスはできます。

こちらは県道173号線の勝原駅付近です。
国道158号線から勝原駅付近で分岐し、
福井県最高峰の三ノ峰(白山南方山域)の登山口へとつながる道路です。

駅舎の外観です。
1960年(昭和35年)に国鉄越美北線(九頭竜線)が開通した際に
その終着駅として開業をした駅です。
この駅から先が開通したのは1972年(昭和47年)であり
それまで12年間はこの駅が終点でした。

駅前の観光看板です。
かつては目の前のカドハラスキー場の最寄り駅としてスキー客で賑わったそうです。
現在はスキー客は減ったものの、日本百名山の荒島岳の登山口がこの駅が最寄なので
登山客の利用が一定量あるそうです。

こちらは駅舎の中の様子です。

上下一日5本づつの時刻表。

ホーム側から見た駅舎です。

そしてこちらがホームの様子です。
単式1面1線の無人駅となっています。

ホーム上の名所案内。

こちらはホーム前の本線の向こう側にある引込み線の跡です。
かつて近年までこの線路の途切れた先には除雪車の車庫がありました。
少し前の勝原駅の写真で確認ができますが、見ての通り現在は撤去されています。

ホームの福井側を見ると上の引込み線のポイント跡があります。
車両庫のあった時代からこのポイントは外されており、
現在でもその姿を見ることができます。

勝原駅の駅舎の隣には、駅舎よりも数段立派な
ログハウス風の五箇公民館が建っています。
かつてSLの走っていた終着駅時代にはこの場所に転車台があったそうです。

さて。勝原駅までの越美北線(九頭竜線)は1960年(昭和35年)に国鉄が建設した路線です。
そしてこの駅から先は日本鉄道建設公団(鉄建公団)の手による建設となります。
公団建設線の特徴として線形の良さ、線路の高規格さがありますが、
勝原駅から先の九頭竜線もその例に漏れていないのは
越前下山駅までの駅間がほぼ一直線のトンネルになっている事からも
容易にうかがい知る事ができます。

勝原駅━越前下山駅間のトンネルの配置図です。
この区間はそのほぼ全てがトンネル内となっています。
当然非電化のローカル線ですからトンネル内では電波は入りません。
つまり次の駅に着くまでアクセスはできないという事です。

こちらは九頭竜川に沿って走る国道158号線と
九頭竜線が交差する付近にある越前下山駅です。

駅は国道から九頭竜川を渡ってすぐの場所に駅はあります。
こちらは振り返って見た九頭竜川の橋で、
その向こうに見えるスノーシェッドのある道が国道158号線です。

上から見るとご覧の感じとなっています。

橋を渡るとすぐに、駅の横の跨道橋があり
潜ると駅入口と駐車場スペースがあります。

跨道橋の表示。

そしてこちらが駅の入口となります。
駅は1972年(昭和47年)に九頭竜線が延伸した際に設置されています。

この駅からも荒島岳の登山口がある様で
入口の坂の脇に案内表示板があります。

ホームへと登る坂道。

入口には駅の外向けの駅名標がありますが、
ご覧の通り錆でほとんど見えなくなっています。

ホームの様子です。
単式1面1線の棒線無人駅であり、築堤上にホームが作られています。

ホームはトンネルとトンネルの出口の間に設けられており、
両端はすぐにトンネルが見えます。
こちらは福井方の荒島トンネル。

こちらは九頭竜湖方の下山トンネルです。
ホームとは九頭竜川を挟んだ対岸にあります。

待合の前には九頭竜温泉を案内する、駅名標を模した看板が。

横には温泉への送迎の案内がありました。

駅の名所案内。

こちらは越前下山駅━九頭竜湖駅間のトンネル配置図です。
この区間も大部分がトンネル内となっています。

こちらは九頭竜湖に到達する手前の国道158号線付近。
道の駅九頭竜のある付近です。

この道の駅の敷地の一角に九頭竜駅の駅舎があります。
ご覧の通りログハウス風の駅舎となっていて
中部の駅百選に選出されています。

駅舎の前の光景。

駅舎の中もログハウスの造りとなっていました。
JRの駅員はいませんが、道の駅の指定管理業者へ駅業務を委託する
簡易委託駅となっており、POS端末による発券が可能となっています。

ホーム側の駅舎の入口です。

こちらがホームの光景です。
単式ホーム1面1線のみとなっています。
駅は1972年(昭和47年)の開業で
九頭竜線の延伸によって終着駅として設置されました。

ホームの東端を見るとポイントがあり、
線路が少し延びていてその先に車止めがあります。
これは越美北線である九頭竜線が
延伸して越美南線と接続する計画だったものの名残です。
国鉄時代の経営悪化などで計画は実現しませんでしたが、
現在も車両の退避スペースとして活用されています。

こちらは九頭竜駅の駅舎の並びにある生産物直売所の光景です。
「道の駅九頭竜」は駅舎西隣のふれあい会館(観光案内所)、
JR九頭竜湖駅、生産物直売所の3施設が一体となった施設です。

そして道の駅九頭竜といえばこの恐竜。
1996年(平成8年)にこの付近の旧和泉村で
ティラノサウルス科恐竜の歯の化石が出たことから、
2000年(平成12年)にこちらに設置されました。
決められた時間になるとうめき声を上げて動くので
この道の駅のシンボルとなっています。
以上で越美北線(九頭竜線)の駅は全てとなります。
全線を乗り通せる列車は一日4本、交換設備は2ヶ所のみ、
駅員配置駅は1駅という非電化ローカル線でした。

列車はレールバス形式の気動車が走っており、
基本的にワンマン運転となっています。

こちらはau 4G LTEでの電波エリアマップです。
基本的に九頭竜線の区間では電波の入らない駅はありません。
駅へのアクセスに困る事はまず無いでしょう。
勝原駅━越前下山駅間と、越前下山駅━九頭竜湖駅間では
電波の入らない空白区間となっていますが、
この区間は荒島岳をトンネルで貫いている区間ですので
仮に地上が電波圏内でも列車からはアクセスができません。
優等列車も無く速度の遅い気動車の路線ですので、
基本的に駅停車中にアクセスを心がければ
取り逃す事はまず無い路線と考えて良いと思います。

こちらに参考として、終点の一つ手前の越前下山駅からの
レーダーの範囲を載せておきます。
このあたりまで来ると「越美南線」の終着駅の北濃駅が
レーダーで届く事が分かります。
・・・まあ終点一個だけ届いてもあまり意味はありませんが。
この九頭竜線は列車本数の少ない盲腸線ですし、
福井県の攻略には必要な路線ですから基本的に乗らねばならない路線です。
ですので攻略の際の参考になれば幸いです。
では。